上野駅から徒歩15分の銭湯・六龍鉱泉に入った感想
JR上野駅公園改札口から歩いて約15分の距離にある銭湯・六龍鉱泉(ろくりゅうこうせん/住所:東京都台東区池之端3-4-20)に行ってみた。
JR上野駅公園改札口から上野公園内の道を通り、上野動物園が見えてきたあたりで左に曲がり、しばらく歩いた後で本道からそれる右に曲がる小さな坂道があるのでその道を降りると道路に出る。そこを右に曲がってまっすぐ進んでいくと、左手に銭湯を案内する標識が見えてくる。
銭湯・六龍鉱泉の近くの道路。
電柱に銭湯の案内標識(看板)が付いている。
電柱に貼られている銭湯・六龍鉱泉への案内標識(看板)。
《案内標識に記載されている内容》
銭湯
ゆ 六龍鉱泉 黒湯
お気軽にどうぞ
←ここ入る
銭湯・六龍鉱泉の建物外観と周辺の様子。
狭い路地なので自動車が通ることは難しいかもしれない。
六龍鉱泉前には、多数の自転車が並んでいる。
利用客のものであろう。
現在は16時22分頃。
この時間帯でも、利用客が多いということは人気の銭湯なのであろう。
銭湯・六龍鉱泉の入口、のれん、下駄箱。
男湯は左側、女湯は右側。
玄関の床板は綺麗。
靴箱は、木鍵で鍵をかけられるタイプ。
銭湯・六龍鉱泉の案内文、営業時間、料金を記載した紙。
《紙に記載されている内容》
六龍鉱泉
入口はカウンター
タオルは100円で販売
ボディソープ・リンスインシャンプー設置
脱衣所は広々
ドライヤー20円
マッサージ20円
びん牛乳・びんコーヒー100円
浴室も広々 天井高~い
黒湯がたっぷり
(営業時間)
15:30~23:00
月曜定休日
TEL.3821-3826
(入浴料)
大人:460円
中人(小学生):180円
小人:80円
《ポスター等に記載されている内容》
東京銭湯スタンプラリー2016 9月15日(木)~11月30日(水)
ゆっポくんをさがせ!
当浴場の番号
▼
5
WE LOVE SENTO
お知らせ
当店では、ゆっポくんスタンプラリーの景品(チャンス1)のピンバッジは、好評につき、終了いたしました。
他の交換浴場で交換するか、東京都浴場組合まで郵送もしくは持参して交換してください。
このお知らせを読むと、ピンバッジについては、先日、同じ台東区内の銭湯・寿湯でもらっておいて良かったと思った。
(参考:東京銭湯のマスコットキャラ・ユっぽくんのピンバッチを入手した)
ポスターのすぐ隣に男湯への入口扉があるので扉を開けると、目の前が番台だった。
番台のおばさんに、スタンプシートにハンコを押してもらう。
銭湯スタンプが全て押されたゆっポくんをさがせ!チャンス2のスタンプシート。
チャンス2のスタンプシートの真ん中の5番に六龍鉱泉のスタンプが押されたことで、スタンプシートをコンプリートできた。
番台のおばさんから、「当浴場でスタンプシートを預かってもよいですか」と言われたので、もちろんです、と回答。
スタンプシートに、氏名、住所、電話番号を記入し、おばさんに手渡す。
チャンス2のスタンプシートをコンプリートした人の中から、抽選で100名の人に、ゆっポくんのぬいぐるみがプレゼントされる。
プレゼント、当たるといいなぁ。
当たったら、我が家の飼い猫ゆきおと一緒に写真撮影をしたい。
大人料金460円を支払って、脱衣所に入る。
脱衣所は、広い。
綺麗な床板で、ガラス戸を開くと縁側に出られるようになっている。
縁側の前には庭があり、鯉が泳ぐ小さな池があった。
この時に、最近訪れた荒川区の銭湯・竹の湯に建物の構造が似ていることに気づいた。
(参考:町屋駅から徒歩3分の銭湯・竹の湯に入った感想)
下駄箱、番台の位置、庭の池、床板、天井、脱衣所の横長の大きな鏡など、類似点が非常に多いので、銭湯の建物を作った当時の建設会社が同じなのかもしれない。
脱衣所には、鍵をかけられるロッカーがあるので、ロッカーに荷物を入れる。
浴場にはボディソープとリンスインシャンプーが設置されているということであったが、浴場をのぞいてみても、どれが自由に使ってよいものかが一見してはよく分からなかったので、いつも持ち歩いている携帯用のボディソープとリンスインシャンプーを浴場に持ち込む。
洗い場には、手に持って使用できるシャワーがあり、お湯は熱くないので、これで髪や体を洗った。
カランのお湯も利用した。
お湯は、かなり熱い。
洗面器にためた熱いお湯を水で温度調節をしてから、お湯を頭からかぶる。
これが気持ちい。
サウナはなかったが、普段からあまり利用しないので気にしない。
浴槽は2つあった。
1つは、泡がブクブクと勢いよく出ている泡風呂。
もう1つは、泡が出ていない一見普通のお風呂。
どちらも、お湯の色は黒い。
いわゆる黒湯。
普通の銭湯に入りにくるつもりが、黒湯という温泉に入ることができるとは思ってもみなかったので、大変うれしい。
まずは泡風呂から入った。
このお風呂のお湯はとても熱く、私がこれまでに訪れた東京銭湯の中では一番熱いぐらいに熱かったが、何とか首元まで体をお湯の中に沈めて、ゆっくりと体全身を温めることができた。
もう1つのお風呂は、とんでもなく熱かった。
誰も入っていなかったので、嫌な予感はしていたが、まさかこれほど熱いとは。
お湯に入る前に手先や足先をお湯の中に少し入れると、皮膚が痛いほど熱いお湯であることはすぐに分かった。
熱すぎるお風呂には入らない、という選択肢もあったけれど、せっかく銭湯巡りをしているのだから、ここでこのお風呂に入らないのはとても勿体ない、という思いがあったので、勇気を振り絞って勢いよくドボンとお湯に入り、首元までつかりはしたが、2秒も経たないうちにお湯から出る羽目になってしまった。
「あ、あつーーーー」
小さいけれども、悲鳴に近い声を思わず上げてしまった。
隣の泡風呂に入っていた常連さんと思われるおじさん、おじさん達が苦笑しながら私に話しかけた。
「私も50歳の頃までは、入れたんだけどね。そのお湯、温度が47度もあるでしょ。人間の体温は36度ですか。人間の体温よりも温度が10度も高いお湯には、最近は入れなくなりました」とおじいさん。
「入る前に、よく体をもんで入らないからだよ。体をもんでから、じわじわじわっと、お湯につからないと、無理だよ」とおじさん。
さらに、おじさんからは面白い提案があった。
「どれ、私が手本を見せましょう」と言って、熱いお湯に入る手本を見せてくれることになった。
おじさんは、泡風呂から出て、とてつもなく熱いお風呂の浴槽の隣にある水道の蛇口をひねり、水を注ぎこむ。
ま、まさか、熱いお湯に入る手本とは、水道水の冷たい水を使って熱いお湯の温度を下げるということではないだろうか、と少し唖然としながら、おじさんの様子を見守る。
おじさんは水道水を止め、泡風呂と熱い風呂の間にある仕切り壁の上に置いてあった木製の湯かき棒を手に取り、熱いお湯をかき混ぜ始めた。
おじさんは十数回かき混ぜた後、湯かき棒を元に位置に戻し、じわじわじわっとお湯の中に体を沈めていった。
熱いお風呂で長湯をするコツとしては、熱湯に冷水を注いで温度を下げ、湯かき棒でお湯をかき混ぜることで温度が下がる範囲を拡大させた後に体をお湯に入れ、再びお湯が熱くなるまでお湯の中につかって待つ、ということにあるのかもしれない。
よし、私もおじさんに続け、と思ったので、おじさんのすぐ隣でお湯に入る。
私の予想では、湯かき棒でかき混ぜられたことにより、おじさんのつかるお湯の周辺は温度が低いと思っていた。
予想は外れていた。
とんでもなく熱いお湯だった。
冷水を混ぜたことなど、ほとんど効果がなかったのではないだろうか。
何とかお湯にはつかったものの、2秒も経つか経たないうちに、お湯から飛び出してしまった。
せっかく手本を見せてくれたおじさんに申し訳ない気持ちになった。
「すみません。手本を見せて頂きましてありがとうございます」と私が謝罪と感謝の気持ちを述べると、おじさんは情けない私に優しくうなずいてくれた。
お風呂から出た後、10円玉2枚で数分間使えるドライヤーで髪を乾かす。
乾かしながら、温泉の成分表、効能などが記載された壁の掲示物を眺める。
とても驚いたのが、東京市衛生試験所というところが、昭和6年10月に検査した結果が掲載されていたこと。
そんな昔の検査結果が今も張り出されていて意味があるのか、ということを考える方もいると思うけれど、私としては、この六龍鉱泉が銭湯として長い歴史を誇っている証拠だと感じるので、この検査結果を見ることができて、とても嬉しかった。
お風呂から出る時、番台のおじさんにお風呂の絵のことを聞いてみた。
(番台さんは、入る時はおばさんだったが、出る時はおじさんに代わっていた。)
「お風呂の絵は、山口県の錦帯橋ですか」
「そうです」
山口県岩国市の錦帯橋を妻と娘と一緒に見に行き、橋を歩いて渡ったことがあるので、絵を見てすぐに錦帯橋であることが分かった。
東京の銭湯に限らず、全国の銭湯がそうなのかもしれないけれど、浴場内の壁の絵は、富士山が描かれることが多い。
何故、山口県の錦帯橋を描いているのかについての理由が気になる。
番台さんに、聞けばよかったなあ。
六龍鉱泉は、お湯が熱すぎるので長湯は難しいけれど、銭湯の入浴料金で気軽に温泉(黒湯)に入ることができるのは、とても良いと思った。
《関連リンク》
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