漫画『北斗の拳 ユリア外伝 慈母の星』を読んだ感想
漫画『北斗の拳 ユリア外伝 慈母の星』([原案]武論尊・原哲夫、[作画]笠井晶水)を読んだ。
《目次》
第1章:運命の星の下に...
第2章:愛する人のために...
第3章:想いという奇跡の名のもとに...
第4章:南斗狐鷲拳・シンとの出会い
第5章:雲のジュウザ 参上!!
第6章:避けられぬ宿命
第7章:船上の激突!!
第8章:二つの魂
最終章:大いなる愛
北斗の拳を全話読んでいる私としては、この『北斗の拳 ユリア外伝 慈母の星』という漫画本を見つけると、気になってしまい読んでみることにした。
ケンシロウが運転する車の助手席に座るユリア。
ユリアとの会話で、ユリアをちらっと見ただけでドキッとしてしまうケンシロウ。
ユリアに「どうしたの?」と問われると、誤魔化しながらそっぽを向くケンシロウの頬は赤い。
実際には、この漫画のように、ケンシロウはユリアの前ではこんな風だったのではないかと想像すると面白い。
北斗の拳と言えば、硬派な劇画タッチの原哲夫氏の絵。
家に北斗の拳全巻の漫画本があるとはいえ、もうしばらく読み返していないので、原哲夫氏の絵柄でケンシロウが頬を赤らめる様子などがあったのかどうかは、さっぱり思い出せない。
笠井晶水が描くこの漫画のケンシロウも劇画タッチではあるが、硬派というよりはソフトな感じ。
少女漫画のような雰囲気もある。
画風の違いが、良い味を出していると思った。
第4章では、南斗狐鷲拳伝承者のシンの若き日の姿が、少女漫画に登場しそうなかなり格好いい男として描かれている。
シンがユリアに一目惚れする様子がよく描かれている。
ユリアがシンにかけた言葉は冷たい。
「悲しい強さね......あなたには惻隠の情(そくいんのじょう)...敗者に対する思いやりがない。そんな勝者には祝福などできない。」
雲のジュウザが登場し、ユリアをめぐってシンとバトルになる。
ジュウザが「拳法の極意は逃げることだ」と言ってシンとの戦いを避けるのは、無益な戦いは望まない、ということかな。
ジュウザもシンに負けず劣らず、格好いい男として描かれている。
この漫画に登場するあらゆる女性キャラから嫌われているシンと違って、ジュウザはあらゆる女性から慕われているモテモテキャラだったので、シンが少し可哀想に思えた。
シンとジュウザが最後にはお互いに拳を軽く突き合わせて和解するのも良かった。
巻末の数ページで、この後、世界は核の炎で暗黒の時代に突入したこと、シンはあえてユリア殺しの悪名をかぶってラオウの魔手からユリアを守ったこと、何も言わずにケンシロウとの闘いに敗れたこと、ジュウザはラオウとの死闘に命を捧げたこと、などが簡単に語られている。
北斗の拳を再度読み返してみたいと思えるような熱い漫画だった。
北斗の拳 ユリア外伝 慈母の星 (ビッグコミックススペシャル)
《関連リンク》
・漫画『極悪ノ花 北斗の拳 ジャギ外伝』上下巻を読んだ感想