飼い主をマッサージする猫-ゆきお
数日前の夜、肩や背中や腰が痛かった私は床にうつ伏せになり、妻と娘に助けを求めた。
「お願い、肩こりなどひどいので、肩や背中や腰を揉んでーーー。マッサージしてー」
妻も娘も近くにいるはずなのに、何1つ物音がしない。
ドラクエ的なシーンが頭に浮かんだ。
のぶねこはなかまを よんだ!
しかし だれもこなかった
床にうつ伏せになったまま、しくしくと泣こうかと思っていたら、物音1つ立てずに誰かが突然、腰や背中を揉んでくれるようになった。
誰だろう。
なんて心優しいことか!
我が家の飼い猫のゆきお君が細脚を私の肥満気味の肉体に食い込ませながら腰から背中に向かって歩いていく。
猫の体重は軽いけれど、体重が猫の細脚の爪先に集中すると、人間が指圧していると言ってもよいぐらいの結構な圧力を感じるので思わず「ウホッ」と声を上げてしまうほど、痛気持ちいい。
妻はマッサージはしてくれなかったが、この様子を面白がって写真には撮ってくれた。
そのおかげで、こんなにもかわいらしい我が家の飼い猫-ゆきおの写真を私は見ることができ、ブログでも紹介ができるのは良いことではあるが、少し複雑な気持ちである。
ゆきおは背中から肩に向かって歩いてマッサージを続けてくれる...と思いきや、ひょいっと私の肩からソファーの方に飛び移って行ってしまった。
あれ!?
マッサージをしてくれていたと思っていたら、ソファーに飛び移るための踏み台にされただけだった!?
いやいや、そんなはずはない。
ソファーに飛び移るだけだったら、わざわざ私の腰・背中・肩の上を歩く必要なんかないから。
泣きそうになっていた私を励ますために、心優しい我が家の飼い猫は、猫脚マッサージで飼い主を癒してくれたに違いない。