小学六年生の娘が回答した中学入試問題の珍回答

小学六年生の娘が通っている塾で夏休みの合宿があった。
娘が中学入試問題に挑戦したが、問題が難しかったらしく、父親である私には分かるのかどうか、ということを娘に質問された。

「父ちゃんは、駅のホームで裸のままお札を差し出した。」などの中学入試問題に回答した娘の珍回答
「父ちゃんは、駅のホームで裸のままお札を差し出した。」などの中学入試問題に回答した娘の珍回答。

《問題》
次の文章を読んで、あなたの思ったことを書きなさい。
「父ちゃんは、駅のホームで裸のままお札を差し出した。」

《娘の回答》
駅の人につかまり、見せしめにされ、許してくれと父がお札を差し出した。

娘の回答を見た私は爆笑してしまった。
娘は、父親である私が裸で駅のホームにいる様子を思い浮かべたようである。
同じ問題を解いた娘の友達も「ヘンタイ」などの回答をしたようである。

私からは娘に、裸のお札とは何か、ということを説明した。
1000円札などのお札を封筒などに入れずに、そのまま人に渡すと「裸のままお札を差し出す」ということになること、人間が裸になることを意味するのではないことを説明した。

説明をするために何度か問題文を読み返すと、問題文の意味が簡単には分からないものであることに気づいた。

まず、文章が意図するシチュエーションが思い浮かばない。

駅でお札を渡す相手は普通は駅員であり、お札を渡す目的は乗車券等を購入するためである。
レアケースとしては、お札を渡す相手は父ちゃんの子供、親戚という可能性もある。
お年玉などは普通はお年玉袋に入れるので、お札を裸のまま渡すことはあまりないから、わざわざ「裸のままお札を」と書く意味はあるので、お年玉の線を考えたが、すぐにそれはないと考えを否定した。
「差し出した」という表現は、子供にお年玉を渡すという行為を表現する言葉としては不自然だからだ。
親戚のおじさんなどにお札を渡すシチュエーションであれば、ありえるかもしれない。

目上の人や取引先に便宜を図ってもらう目的で賄賂としてお札を差し出すのであれば、普通はお札を渡すことを見られないために封筒とか菓子折りの中にでも隠して渡すものだから、普通ではない行為を強調するためにわざわざ「裸のままお札を」となっているのかもしれない。

一般的に想像しにくいシチュエーションを前提としている上に文脈がないこの問題文では、娘のような勘違いが起きても仕方がないと思う。
文脈なしで与えられているこの問題文は変な問題かな。

日本語としては、「父ちゃんは、駅のホームで裸のままお札を差し出した。」という文は以下のようにどちらでも解釈できると思う。

「父ちゃんは、駅のホームでお札を封筒に入れずに裸のまま差し出した。」

「父ちゃんは、お風呂から出て服を着ないまま駅に行き、駅のホームでも服を着ることなく裸のままで、お札を差し出した。」

どちらがシチュエーションとして一般的にありえそうかと考えると、前者となるので前者が前提で回答をしないと、普通は不正解、ということになりそう。

問題文をよく見ると「次の文章を読んで、あなたの思ったことを書きなさい。」とある。
「次の文章内の『裸のまま』を意味を変えずに別の表現に変えて文章を書き直しなさい」というような問題ではない。
「あなたの思ったことを書きなさい。」だから、問題文を用意した出題者が考える文章の意味とはかけ離れたことを娘が思ったとしても、娘が思ったことをそのまま書けば、どんな内容の回答であろうと正解としなければいけないのではないかと思う。

塾がこの問題を出題した目的は、このような意味不明な問題が出されても、出題者が期待する正答を出せるようにするための考え方を教えることにあるのかもしれない。

といったことを娘には話してみたけれど、理解されたかどうかは分からない。
(世の中もそんなもんさ、とまでは言っていない。)


その他の問題として、以下も面白かった。

《問題》
一番たくさんの都道府県と接しているのはどこですか?

《娘の回答》

なんと、塾の先生としてはこれを正解としてくれたようであった。

なお、期待した答えは、長野県とのこと。
(娘の答案用紙に書かれている岐阜県は娘が勝手に書いているもので、間違いとのこと。)

問題文が「どこですか?」ではなくて「どこの都道府県ですか?」となっていたら、娘の回答は不正解になっていたであろう。

娘と色々と会話できるきっかけになったので、これらの問題は私にとってはよかった。
娘にとっても、今後、何らかの役には立つであろう。

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