Cメールで見積を提示しようとしても許されるような人柄になりたい

1か月ほど前に話になるけれど、ある会社のある営業担当の人に見積書の作成をお願いしたところ、見積書の提出期日になっても見積書が提出されなかったので電話をして状況を確認した。

営業担当の人は、何もしていなかったわけではなく、見積書作成のために深いところまで考えてくれているようであった。
社内の複数名の担当者と打ち合わせを実施したが、将来的な構成変更まで視野に入れた精度の高い見積書を完成させるには、まだ関係者の話がまとまっておらず、今の状況では見積書を提出することができない、ということであった。

将来的なリスク回避まで考えてくれていたのは素晴らしいと感じたので、たぶん、この会社にお願いをすれば、しっかりとしたモノが提供されるのであろうという安心感を抱いた。

見積書提出の期日については、私からは期日になる数日前から営業担当の人に念押しの電話を何度か入れていたので、本来であれば、営業担当の人は、見積書を期日までに提出できないことを依頼主の私に伝えるべきである。
期日を過ぎても見積書が出てこないことについては、私の感覚ではビジネスマナーとしてはアウトだと思うけれど、まあいいか、と思えるほど、営業担当の人柄が良かった。

しかし、まあいいか、は見積書が不要という意味ではない。
私としては、見積書が必要である。

そこで営業担当の人に見積書を出してもらうために話しをする。

「とても熱心に調べられているので、私としては安心感があります。しかし、見積書を頂けていないので、金額が分かりません。金額が分からないと、私からは上司に説明ができません」
「見積書の内訳は未確定ですが、総額なら確定しています。口頭でお伝えしてもよいでしょうか」

とりあえず、電話で見積金額を聞いた。
金額感が分かり、この金額であれば何とかなるかな、と思ったけれど、これで終わってはいけない。

「金額感は分かりました。条件も良いので、貴社にお願いできると思いました。しかし、口頭でのやり取りだけでは、上司からはオッケーが出るとは思えません。私が金額を聞き間違えている可能性もあります。お互いに、後日、金額の件でもめることになってはいけません。見積書を頂きたいのですが、いつまでに頂けますか。もし、ExcelやPDFファイルなどのきちんとした見積書様式での提出は今すぐはできないということであれば、先ほど口頭でおっしゃって頂いた金額をメール本文ベタ打ちでもいいので、何とか形に残るように送って頂けないでしょうか」

「え、えーと、Cメールではダメですか
「え!?Cメール...。うーん、それはちょっと...。会社のメールアドレスで送ってほしいです」

営業担当の人と私はお互いに携帯電話で話しをしていたので、お互いの携帯電話番号を知っているから、たしかに、Cメールでのやり取りはできる。
私の頭が固い可能性は大いにあるけれど、会社同士での見積金額のやり取りを携帯のCメールで行うのは、若干(?)非常識な気がした。
金額が少額ならともかく、5年間に渡って高額な金額を支払うことになる案件であるため、型破りなCメールという提案については、私は受け入れる勇気がなかった。

営業担当の人が何とかして問題を解決しようとする姿勢には好感が持てたし、Cメールという提案は面白かったけれど、安全路線を進みたがる私としては、会社のメールアドレスで見積を送ってもらうことをお願いした。

その日の夜、メール本文ベタ打ちではなく、きちんとした見積書様式のPDFファイルが営業担当の人から届いていた。
たぶん、営業担当の人の上司から、きちんとした見積書を出しなさい、といった指導が入ったのではないかと予想する。

ちょっと大丈夫かな、というところは感じつつも、この営業担当の人から好かれる人柄は得をしているなあ、と感じた。
Cメールで見積を提示しようとしても許されるような人柄になりたい!

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