漫画『君と100回目の恋』第1巻を読んだ感想
漫画『君と100回目の恋』(原作:Chocolete Records、構成:イナバセリ、漫画:よしづきくみち)の第1巻を読んだ。
主人公の女の子・日向葵海(ひなたあおい/20歳)と男の子・長谷川陸(はせがわりく/20歳)の時間ループする恋物語。
主人公の女の子と男の子の出会いは14年前の2002年7月31日。
その日は、女の子の誕生日。
女の子は、海の見える丘の上で壊れたレコードを両手に持って立っていて、泣いている。
男の子は、「おれ・・・なおせる そのレコード」と言って、レコードを女の子から受け取り、レコードをベンチに置いて、レコードを再生する針の代わりに小枝をレコードに乗せる。
男の子は、ギターを取り出し、歌いだす・・・。
女の子は、感動してさらに涙を流して一緒に歌う。
これほど格好いい男の子は、たぶん、世の中に1人もいないのではないかと思う。
そんな男の子に出会えたら、女の子はかなり幸運だろうと思った。
この時の女の子と男の子の年齢は、6歳。
年齢を考えると、さらにこんな出会いはないだろなあ、と思う。
でも、こんな出会いがあったら素敵だろうなあと思うほど、美しい出会い。
このような素敵な出会いをした男女が、幼馴染のただの仲の良い友達という関係のまま、お互いのことを好きと告白もしないまま14年間も過ごしてきたのには違和感があったが、1巻のラストに近づくにつれて、その原因が見えてきた。
この漫画は、いわゆる時間ループ物の恋愛物語で、死んでしまう女の子を死なせないようにするために男の子が必死になっているようであった。
第1巻の冒頭のレコードのエピソードから想像すると、男の子は女の子に出会った時、既に時間ループを経験しているように思えた。
一般相対性理論や量子力学など時空間に関する書籍を読み漁り、独自に研究をしているのは、女の子の死を回避するための努力であったことが分かる。
女の子に冷たい態度を取っていたのも、女の子の死を回避するために意図的にしていた行為のようであるから、本当は好きな女の子に対してそのような態度を取らざるをえなかったのはつらかったであろう。
第1巻のラストで、それまで冷たい態度を取っていた男の子が、女の子が時間ループをしていることを知って抱きしめるシーンには感動してしまった。
男の子の「やっと・・・・・・葵海と同じ時を生きられる・・・・・・俺の秘密を教えるよ・・・・・・」といったセリフ、幼少時に既に男の子は時間ループをしていたと思われることから、どれほどの長い時間、孤独な時を過ごしたのであろうと考えてしまった。
漫画のストーリーも良いし、主人公の女の子、男の子の純愛にも好感が持てる。
漫画の絵柄についても、良い。
女の子は可愛らしいし、男の子は格好いい。
第2巻が早く読みたい。