漫画『サザンアイズ 幻獣の森の遭難者』第1巻から4巻までを読んだ感想


3×3EYES 幻獣の森の遭難者(1) (ヤングマガジンコミックス)

漫画『3×3EYES(サザンアイズ) 幻獣の森の遭難者』(著者:高田裕三)の第1巻から4巻までを読んだ。

サザンアイズとの出会いは、私が高校生の頃(23年ほど前)に、部活の同級生から借りて読み始めたのが最初だったと思う。

高校を卒業してもサザンアイズの連載は続いていて、大学進学で漫画を借りていた同級生とは離れ離れになって漫画を借りることができなくなり、サザンアイズが大変好きであった私はサザンアイズのコミックスを購入していた。

こんな経緯なので、サザンアイズは途中の巻から最終巻までの何十冊かは持っているが、第1巻から途中までの巻を実は所有していなかったりする。

連載が終了し、完結したはずのサザンアイズの連載が再開したということはニュースになっていたので、早く読みたいと思っていたけれど、仕事が忙しい等の理由で、なかなか読むことができなかった。
本日読むことができたのは、本当に嬉しい。



3×3EYES 幻獣の森の遭難者(2) (ヤングマガジンコミックス)


絵柄は、連載当時とたぶんほとんど変わっていないと思う。

八雲やパイ以外の人物は成長し、子供がいたりするけれど、八雲やパイは当時のまま若い。
彼らは不死人だから、年が若いのは当たり前か。

そう思って読んでいったけれど、どことなく八雲の様子がおかしい。
元気がない。

放射能による肉体損傷のスピードの方が、不死人の力である肉体修復スピードを上回っていて、八雲が衰えているということはすぐに分かったけれど、それ以外にも、八雲に感情が戻らない、という深刻な問題が起きていることが分かる。

シリアスすぎる展開であったため、緊張して読んだ。
久々の連載だというのに、まさかバッドエンドなんてことはないだろうか、と恐怖するが、そんな心配はなかった。



3×3EYES 幻獣の森の遭難者(3) (ヤンマガKCスペシャル)



3×3EYES 幻獣の森の遭難者(4)<完> (ヤンマガKCスペシャル)


今回の見所は、八雲とパイのラブラブなところではなく(そういったシーンもパイの回想シーンで少しはあったけれど)、ベナレスの格好良さかな、と思う。

「おまえを九頭龍将(くずりゅうしょう)の首領にむかえたい」

ベナレスの八雲への誘いに衝撃を受けた。

その誘いを一瞬でも検討していた八雲にも衝撃を受けた。

ベナレスが八雲をえらく気に入っていることは、何だか微笑ましい。

ベナレスは兄貴分としては、とても頼もしく、格好いいと思う。
八雲を可愛い愛弟子として育てる様子を想像すると、面白い。

ベナレスの誘いを即座に断らない八雲の態度に怒るパイ。
慌てて弁解する八雲。

この二人のやり取りを見ていると、八雲に感情が戻ったことが分かるので、嬉しかった。
やはり、八雲とパイはこうでなくては。


第4巻の著者のあとがきを見ると、「幻獣の森の遭難者」は全4巻で完結するけれど、新シリーズが始まることが分かった。

シリアスで不安を与える始まりだったのが、昔ながらの八雲とベナレスとの熱い闘いを経て、意外な結末を迎え、和解へと至り、次回以降のシリーズを期待させる盛り上がりを見せてから、久々の新シリーズは幕を閉じた。

全4巻を読み終えた時の読後感は、素晴らしいものだった。
新作が読めるとは思っていなかったし、これほどまでに凄いできだったこともあり、読後しばらくは、感動して余韻にひたっていた。
新シリーズも、早く読みたいと思った。


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