絵本『ネコヅメのよる』を読んだ感想
絵本の表紙の猫の表情が面白かったので、『ネコヅメのよる』(著者:町田尚子)という絵本を読んでみた。
飼い猫らしき猫が、飼い主の家と思われる場所から、ある日、夜、外に出てある地点を目指す。
目指している途中で、同じ場所を目指している猫達と合流し、目的地に着く頃には大量の猫達が集まり、あるもの・月を見上げる。
どの猫達も、表紙のような面白い表情の猫で、1匹1匹の猫達を眺めるだけでも楽しい気分になれる。
ストーリーとしては、特に大きな目的があるわけではなく、強い感動を呼び起こすような展開もないが、それが良い。
猫達の信じる大切なこと、美しい特別な形状になっている月への敬意を抱いている様子を感じると、この猫達への親しみが増した。
ストーリーが展開していく中で発せられる短い猫達の会話も魅力的だ。
劇画風の漫画であまり喋らないキャラクターが真面目な顔で面白いことをボソッと呟くと面白い、というようなことがあるが、この絵本の画風の雰囲気が劇画風の漫画の雰囲気と似ているので、その面白い効果がよく出ている。
この絵本を読むと、日常的な些細なことでも、それを大切に考えていれば、満足感や幸せを感じることができるということを教えてもらえる。
心が疲れている時に、手に取って読むと、少し心が楽になる本なのではないかと思った。