森健 『グーグル・アマゾン化する社会』

検索エンジンGoogle、オンラインショッピング老舗のAmazonを例にして現在・未来のインターネットの様子が解説されている。筆者によると、Web2.0をユーザの力を借りるものと考えれば、この2社ほどWeb2.0的なサービスを提供している企業はない、とのこと。私としては、筆者のAmazonについての説明が特に面白かった。
Amazonには昔書評を書く専門の人を雇っていたが、「カスタマーレビュー」という一般ユーザが自由にレビューを書けるコーナーを設けたところ、数十万人の人が喜んで無報酬でレビューを書いてくれるようになり、こうしたカスタマーレビューの方が専門の人の書評よりも本音がうかがえるところが良く、結果的に専門の人達は会社を去っていったということだった。たしかに、Amazonのカスタマーレビューは面白いから、私も長時間かけて読んでしまうことがある。そのレビュー読んでいて「ああ、こんな読み方もあるのか」とか、関連する本なども述べられている場合は「この本も読んだ方がいいかも」など色々考えさせられる。自分が面白いと思っていた映画に★1つの評価しかつけていない人のレビューを読むと、自分とは全く思考パターンが違う人の意見を知ることができて面白い。

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