アルベート・カミュ 『異邦人』

原題:L'Etranger / 邦題:異邦人
著者:Albert Camus(アルベート・カミュ)
主人公ムルソーは、アパートの隣人レエモンが人殺しをしようとするのをやめさせるためにレエモンからピストルを取り上げた。その後、ムルソーが浜辺で一人で歩いていると、レエモンと殺し合いをしようとしていたアラビア人の一人と偶然出くわし、ムルソーはまだ持っていたピストルで相手を射殺してしまう。
この事件により、ムルソーは逮捕され裁判を受ける。その裁判の時には、事件そのものよりもムルソーの普段からの考え方、生き方などが痛烈に批判され、結果として死刑の判決を受けてしまう。
特に、ムルソーが母親を養老院に入れていたこと、母親が死んだ時の葬儀で涙を見せなかったこと、死んだ母親の顔を見ようとしなかったこと、お通夜の時にミルクコーヒーを飲んだり、煙草を吸っていたこと、母親の死の翌日に海水浴に出かけて恋人マリイと関係を結んだり、喜劇映画を観ていたことで非難される。

また、ムルソーは、裁判中、アラビア人殺害は意図していたわけではなく、「太陽のせいだ」と主張する。たしかに、本書では太陽の描写が多く、思考力が低下していく過程が分かる。しかし、主人公ムルソーのこの独特の思考回路は、他の人々には理解されず、無慈悲で冷酷な人間による意図的な犯罪だと断定されてしまう。(恋人のマリーとごく一部の人はムルソーのこの誤解を受けやすい性格を理解し、弁護していたが・・・。)

不条理。
この言葉はカミュを例に挙げて辞書で以下のように説明されている。

ふじょうり(‥デウリ)【不条理】 (形動)物事のすじみちが立たないこと。道理に合わないこと。
不条理の哲学(てつがく):フランスの文学者アルベール=カミュの思想。意味も希望も見出せない人生の不条理が、人間と世界とのかかわり合いの中に現れるが、人間がこいした不条理を克服できないのに克服しようと努力していることを強調し、ここに人生の真の不条理を見ようとするもの。
引用元:Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)小学館 1988

本書に強く感銘を受けたので、この不条理の哲学というものをもっと知りたい、と思った。

  
 

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