赤川次郎 『充ち足りた悪漢たち』


下記の6つの短編が収録されている。
第1話 愛しのわが子
第2話 わが子はアイス・キャンデー
第3話 蛇が来た、どこに来た
第4話 禁じられた遊び
第5話 「拝啓、通り魔さま」
第6話 「塾に行く道」

中でも一番面白かったのが、第2話だった。小学生の息子が高利貸し(こおりがし→氷菓子→アイス・キャンデー)の商売を学校で始めたことに対して母親は大変悩んでいたにもかかわらず、いつの間にか肯定するようになり、母親自らも息子にお金を借りてしまうようになる。心配していた母親よりも息子の方が(ずる賢いけれども)しっかりしていると思ってしまった。
この短編集は、ずる賢くて問題行動を起こす子供たちを批判しているのではなく、だらしのない大人たちを皮肉っているようであった。

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