萩尾望都 『半神』

双子の姉妹ユージーとユーシーは、身体の一部が結合して生まれてきた。考える力はほとんどないがとても美しい妹、対照的に知性は素晴らしいが醜い姿の姉。姉はいつも妹のことで苦しんできた。そして、13歳のある日、姉は妹を切り離す手術を受ける。そして・・・。微笑みながら妹が右手を差し伸ばしてくる光景(14p)は、とても怖く、悲痛なものだった。わずか16pの短編だが、非常に考えさせられる内容だった。この本には、「半神」の他、9つの短編が収録されており、その半分以上がSF作品。そのうちの1つ、「金曜の夜の集会」は、SFのネタとしてはよくあるものだが一番印象深かった。夢に描いていたことが実現するような未来などは永遠に訪れないのかな・・・と思うと悲しくなってきた。主人公の男の子みたいに、未来が止まる前に行動を起こさなくては・・・。
  
 

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赤川次郎 『寝台車の悪魔』