赤川次郎 『仮面舞踏会』

この本には、5つの短編が収録されている。人には、もう1つの顔がある…つまり、普段の顔は、もう1人の自分に「仮面」をつけたものだという意味が、この本の題名に込められているのだろう。「忘れられた姉妹」という話はかなり不気味。主人公の花江克子(はなえかつこ)(21歳の女子大3年生)とそっくりの人物が突然現れ、様々な不幸をまき散らすという話。結局、その人物が、幽霊だったのか、ドッペルゲンガーだったのか、それとも別の何かだったのか分からなかったが、とにかく不気味だった。「私だけの境界線」という話は、夫を失った妻が、夫が死んだことを受け入れることができないことから生まれる悲劇を描いたもの。5つの短編は、暗い内容の話もあれば、明るい内容の話もある。
  
 

前へ

赤川次郎 『殺人はそよ風のように』

次へ

赤川次郎 『世界は破滅を待っている』