最終話に納得できないアニメ『ダーリン・イン・ザ・フランキス』で泣いてしまう
昨日の朝、Amazon Prime会員なら無料で視聴できる良さそうなアニメがないかどうかと、Amazon Primeの画面で探していると、『ダーリン・イン・ザ・フランキス』というアニメが面白そうだったので第1話から見てみた。
※以下、ネタバレを含むので注意。
面白すぎて全24話までを1日未満で全て観てしまったが最終話に納得できない。
第21話「大好きなあなたのために」までは良かったけれど、第22話「スターゲイザー」以降は主人公とヒロインが可哀想すぎて辛くて観ていられなくなった。
最終話を観て、これほどモヤモヤとしたスッキリしない、つらい気持ちになったアニメは久しぶりだ。
第1話「独りとヒトリ」
主人公の男の子・ヒロとヒロインの女の子・ゼロツーとのラブラブなストーリー展開に強く引き込まれてしまい、第1話が終わるまでの間に「近年稀に見る凄いアニメだ」という言葉を何度か発してしまった。
ゼロツーのセリフが可愛らしく、魅力的。
裸で初対面するヒロに笑顔でポンと手を叩いて「分かった。君はエッチな人だ」と言うゼロツーは可愛らしい。
「さあおいで。君を味あわせて。今から君が僕のダーリンだ」と言ってヒロにキスをするゼロツーは魅力的。
ゼロツーの大胆なセリフ、行動については男らしさを感じるほどの格好良さもある。
強い女性が好きな私にとっては、ゼロツーはとても魅力的な女性である。
第1話の終わり方がストーリーとしても素晴らしい上に、挿入されたエンディング曲も素晴らしい。
エンディング曲のタイトルは『トリカゴ』で、ゼロツーを始めとする声優陣で歌われている。
とても元気な曲で、声優陣の元気な歌声を聴いているとストーリーが終わる時の高揚感をさらに高めてくれる。
次の話を早く見たい、と思ってしまう。
「トリカゴ」が収録されているアルバム「ダーリン・イン・ザ・フランキス エンディング集 vol.1」
このエンディング曲で気持ちが盛り上がり、第2話、第3話と続けて観ていった。
第7話「流星モラトリアム」
ヒロイン達の水着姿を観ることができるどのアニメでもお約束の話。
地球の海で休暇となり、主人公、ヒロイン達が水着で泳いだりして遊んでいる、子供らしいほのぼのした感じもいいけれど、やはりヒロとゼロツーのラブラブぶりなところを観ることができるのが良い。
第13話「まものと王子様」
ヒロとゼロツーの幼少時の出会いと別れが描かれる話。
まさかこんなにも幼い時に二人は出会っていたとは。
ヒロがゼロツーを助けようと必死になっている姿、ゼロツーが涙を流しながらヒロに抱き付く姿には感涙。
ヒロが涙を流しながら「絵本の...君があの時の...絵本の女の子だったんだね」と言い、ゼロツーが涙を流しながら振り返ってエンディングに向かうシーン、エンディング曲「ひとり」をゼロツーの声優(戸松遥さん)が歌うのがまた切なくて良い。
「ひとり」が収録されているアルバム「ダーリン・イン・ザ・フランキス エンディング集 vol.2」
第14話「罪と告白」
ヒロとゼロツーが無理矢理に引き離されてしまうので観ていると辛くなってきた。
次に続く第15話の感動的なシーンを考えると、この第14話は話の展開上、必要ではあったのだろうけれど、ヒロとゼロツーがすれ違うことなく、普通に出会って、普通に抱き締めあってほしかった。
第15話「比翼の鳥」
ヒロとゼロツーがお互いのことを心の底から本当に好きだと言えた記念すべき話。
「ヒロを譲ってあげるんだから、あんたいい加減しっかりしなさいよ」と言うイチゴ。
イチゴがヒロのことを諦めるセリフ。
イチゴが可哀想だとは思ったけれど、イチゴが応援してくれることは嬉しいし、ここから皆がゼロツーに優しくなる。
ゼロツーは覚えた言葉の順番を覚えている。
「最初に覚えた言葉はボク、二つ目はゼロツー、そして三つ目はダーリン」
このゼロツーのセリを聞くと、幼少時からゼロツーがヒロのことを好きだったこと、ヒロのことを忘れないように必死であったこと、が分かってゼロツーの一途さに胸が熱くなる。
エンディングに向かいながらヒロとゼロツーの掛け合う言葉から、二人のお互いを好きだという気持ちが強く伝わってくるのが良い。
「ゼロツー」
「ダーリン」
「ゼロツー」
「ダーリン、ダーリン、ダーリン、ダーリン」
「ダーリン、僕は君と出会えてよかった。大好きだ」
「ゼロツー、俺もだよ。君が大好きだ」
二人のテンションが上がっていくのを視聴していると、気持ちが高揚する。
このようなラブラブなシーンが大好きであるから、『ダーリン・イン・ザ・フランキス』は素晴らしいアニメだ、と思う。
第21話「大好きなあなたのために」
幼少時の自分に酷いことをしてきたはずの博士に「僕を作ってくれて、ダーリンに会わせてくれてありがとう」と感謝を伝えるゼロツーの優しい言葉が胸に刺さる。
第21話のエンディング曲「ダーリン」が終わるまでにこのアニメは視聴をやめてしまった方が良かったかもしれない。
再び会えた二人が、このまま地球で仲良く暮らしていく様子を観たかったのに、それができない。
第22話「スターゲイザー」
ゼロツーの意識が戻らない。
ゼロツーの意識は宇宙に。
宇宙に向かうことを決意するヒロ。
...ここからもう嫌な予感しかしない。
第23話「ダーリン・イン・ザ・フランキス」
ヒロとゼロツーが再開でき、ヒロとゼロツーが会話ができるようになったのはよいけれど、宇宙空間で動く巨大ロボット(ストレリチア真・アパス)がゼロツーの姿になったのを見て苦笑する。
名作アニメ『トップをねらえ2!』のストーリー展開が頭にチラチラと浮かんできた。
『トップをねらえ2!』は私は何度も観ており、大好きなアニメだ。
主人公のヒロイン・ノノ(バスターマシン7号)が宇宙空間で巨大化して...最後は私にとっては納得のいかないオチになった。
私の定義するハッピーエンドは主人公やヒロインが最終話で元気に幸せそうにしている結末。
そうならないのはもうバッドエンドと思っている。
バッドエンドは好きではない。
主人公やヒロインが犠牲になって地球の皆を守りました...というのは感動的な話のパターンの1つかもしれないけれど、主人公やヒロイン達には、地球の皆を守りつつも、生きて帰ってほしい。
『ダーリン・イン・ザ・フランキス』のヒロイン・ゼロツーが『トップをねらえ2!』のヒロイン・ノノと同様に、宇宙空間で巨大なロボットになったのを観た時に、同じような結末を迎えるのではないかという嫌な予感がしてしまった。
第24話(最終話)「わたしを離さないで」
嫌な予感通り、バッドエンドだった。
ヒロとゼロツーは二人一緒に戦って愛を誓いながら死に、何年か後に二人の魂だけが地球に戻り、生まれ変わった幼い二人が桜の木の下で出会う...。
それで話は終わり。
人によっては、これをハッピーエンドだと考えると思うけれど、私にはこの結末は納得ができない。
生まれ変わりとか、転生した未来では幸せに...ではなくて、現世で幸せになってほしい。
現世で幸せになった上で、来世とか転生先とかでも幸せになってほしい。
二人が合意の上で迎えた結末、二人が死ぬ瞬間まで幸せを感じていたのだとしても納得はできない。
生きて帰って幸せになってほしい。
それがハッピーエンドだと思う。
ヒロとゼロツーが元気に帰って、地球で楽しく暮らしていく様子を観たかった。
もしかしたら、ヒロの肉体がもう負荷に耐えられなくて寿命が近かったのかもしれないけれど、宇宙空間ではなく、地球で最期を迎えてほしかった。
ヒロが先に死んでしまうとゼロツーだけが取り残されてしまうから、最終話のタイトル「わたしを離さないで」に込められた願いを果たせなくなってしまうから、一緒に死ぬしかなかったのかもしれないけれど...それは違うか、そういう意味ではないか。
「まだだ、俺達は二人で絵本の続きを描くんだ」とヒロが叫ぶ様子を見ていると、本当は二人一緒に生きて地球に帰りたいと願っていたと思う。
二人の願いが叶えられなかったのだから、ハッピーエンドではない。
たとえ、地球に残った皆が、二人の絵本の続きを描いてくれたとしても、それは真のハッピーエンドではない。
本当は、二人で描きたかったと思う。
ハッピーエンドではないアニメは好きではない。
最終話までに何度か辛いシーンがあっても、最終話で救われるのであれば、何度でも観ることができる。
最終話が納得できないと、それまでの話がどんなに良くても、繰り返して観る気にはならなくなってくる。
そうは言いつつも第1話から第21話までの好きな話はもう既に何度かは見直しているので、これは『ダーリン・イン・ザ・フランキス』というアニメが傑作すぎるからであろう。
年甲斐もなく、しばらく涙が止まらないアニメとなってしまった。
アニメの第2期や映画版がもし制作されるのであれば、何とかしてヒロとゼロツーには地球で幸せになってもらいたいのだけれど、無理なのかなぁ...。
こうなったら漫画版にハッピーエンドを期待するしかない。
『To LOVEる(とらぶる)』の漫画家・矢吹健太朗さんが『ダーリン・イン・ザ・フランキス』のコミカライズを担当している。
矢吹健太朗さんの漫画は私は大好きで、Kindle版で『To LOVEる』を買い集めているほど。
『ダーリン・イン・ザ・フランキス』の漫画をAmazonの「なか見!検索」機能で最初の数十ページを無料で読んだところ、アニメと同様に面白いし、矢吹健太朗さんの画力が素晴らしすぎて、アニメのハイクオリティな画質に一切負けているところがない...どころか、アニメでは表現しきれないところを漫画版が綺麗に描いている。
矢吹健太朗さんが漫画を担当しているだけで、アニメ第1話で登場するゼロツーの裸体の描写は凄いことになっている。
同じストーリーを描いているはずなのに、エッチなシーンはよりエッチに...。
さすが、矢吹健太朗さん。
アニメならではの良さ、漫画ならではの良さがあるのだけれど、漫画ならではの良さが、存分に楽しめる。
アニメの場合、声優さんの美しい声、素敵なエンディング曲...聴いていると、気持ちが高まるという楽しみ方。
漫画の場合、静止画をゆっくりと眺め、セリフをゆっくりと読む、好きなシーンを目で追って何度も読み返す楽しみ方。
どちらも大切。
漫画版がアニメと同様のストーリーだから、アニメと同様の結末を迎えてしまう可能性はあるけれど、漫画版の『新世紀エヴァンゲリオン』がアニメ版とは違う結末を迎えたように、是非、漫画版では違う結末(ハッピーエンド)を迎えてほしい。
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