漫画『食糧人類』 第1巻から第3巻までを読んだ感想

漫画『食糧人類-Starving Anonymous』(原作:蔵石ユウ、漫画:イナベカズ、原案:水谷健吾)の第1巻から第3巻までを読んだ。

ある日、バスに乗っているとガスで眠らされてしまい、捕獲された主人公の少年・伊江。
彼は、バスの中で途中までマスクをしていたためか、他の乗客ほどガスの効き目が良くなかったらしく、他の乗客とは違って途中で目覚めてしまう。
バスの中で回りの乗客達が倒れているのに気付いてパニックになるのは仕方がないとしても、何故、マスクをわざわざ外したのだろう。
マスクを外さなければ、何とかしてバスから脱出できていたかもしれないのに...。
人間、パニックになると、論理的な行動を取るとは限らないから、納得感がない行動を取ったとしても、受け入れて読んでいくしかない、と思いながら読み進めた。

伊江が目覚めた先は、捕らえた人間を冷凍し、加工する工場。
その工場で加工された人肉は、人間を食べる恐ろしい巨大生物の食料となる。

伊江は間もなく、工場内でまだ正気を保った状態の山引(やまびき)とナツネという男2名と出会う。
力を合わせて工場を脱出する話になるのかと思っていたら、驚いたことに、この2人は工場から出るつもりがないと言う。
特に、山引は外のつまらない世界に戻るぐらいであったら、この工場内にいた方がよい、と言うほど。
ナツネは復讐のために工場を運営する者達に会いに行くという分かりやすい目的を持っている。
ナツネについては工場内から出るつもりがないという考えに納得感がある。
山引については全く理解不能。
山引は自らの命も危険にさらされるほどの異常な状態を楽しめる特異な感覚を持っている。
山引の素性は3巻ではまだ語られていない。
早く山引の素性が知りたい。

伊江の瞬間記憶能力、ナツネの驚異的再生能力・・・というように、3人のうち2人が特殊能力持ちであるから、山引も何らかの特殊能力があってもおかしくないとは思うけれど、第3巻が終わった時点では山引の能力は不明のままであった。

日本国の首相があっさりと巨大生物に殺されて食べられてしまっていたが、首相が突然いなくなると日本中は大騒ぎになるはずだから、この工場のことを日本政府が秘密にし続けることができるのは、いくら漫画だとは言え納得感がなかった。
フィクションの漫画なのだから、論理性にこだわる必要はなく、超展開の連続であっても構わないのかもしれないけれど、段々と面白みに欠けてくるのではないかと感じた。

ナツネという少年(年齢は6歳だが見た目は高校生ぐらい)が何だか格好いいという点を除くと、伊江も山引もイマイチな感じ。
主人公は伊江なのかもしれないけれど、主人公っぽい格好良さと行動に魅力が感じられるのは、ナツネかな。

色々と残念な点を感じてはいるが、4巻も読みたいと思った。


食糧人類-Starving Anonymous-(1) (ヤングマガジンコミックス)



食糧人類-Starving Anonymous-(2) (ヤングマガジンコミックス)



食糧人類-Starving Anonymous-(3) (ヤングマガジンコミックス)

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