漫画『転生したらスライムだった件』第1巻、第2巻を読んだ感想

 

原作:伏瀬(ふせ/Fuse)、漫画:川上泰樹(かわかみ たいき/Kawakami Taiki)、キャラクター原案:みっつばー(Mitz Vah)の漫画『転生したらスライムだった件』の第1巻と第2巻を読んだ。

正直なところ読む前までは、漫画のタイトルの「転生したら」まではともかく、「転生したらスライムだった」というフレーズで、「あ、これ、つまらない漫画だ、たぶん」という偏見をもってしまった。

私の中では、「スライム」とはドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどのゲームで出てくる弱い敵。
ドラゴンクエストのスライムであればかわいらしいけれど、ファイナルファンタジーのスライムであればドロドロとしていて醜い姿をしていて気持ち悪い、という印象で、どちらのパターンのスライムに転生してもきっと面白くないであろうから、そんなスライムに転生した話を漫画にしたところで、面白くないのではないか、と思っていた。

きっとタイトルを見ただけでは、手に取って読んでみようとは思わなかったと思う。
しかし、漫画の表紙に描かれている黒髪の女の子の絵がかわいらしかったので、手に取ってしまう。
かわいらしさに目が眩んでしまうのはいつものことで情けないが、とにかく、やや期待して読んで見たところ・・・・・・予想外に面白くてびっくりした。

主人公は、日本人・三上悟(みかみ さとる/Mikami Satoru)という37歳の男性サラリーマン。
現代日本のとある街中で通り魔に刺されて死んでしまった主人公の転生先は、現代日本ではなく、魔物や魔法が存在するファンタジーな異世界。
しかも人間ではなく、最弱の魔物の一種・スライムに転生していた。

私が面白いと思ったのは、ここから先の主人公の考え方と行動力。

自分が死んだことについて、ほとんど動転しておらず、とても冷静。
死後の世界が異世界であり、自分がスライムに生まれ変わったと認識するまでの過程を見ていると、この主人公は冷静沈着で知的好奇心が旺盛な凄い人(スライム)だと尊敬してしまった。

転生先で初めて会話を交わした生物が暴風竜ヴェルドラという異世界でも4体のみ存在する竜種の1体であったことや、運命の人であるシズエ・イザワとの出会い方が、偶然にしてはちょっと都合良すぎる展開だなあ、とは思ったが、そのようなこともあまり気にならないほどお話は面白かった。

運命の人であったシズエ・イザワとの別れがあまりにも早いのは残念。
このかわいらしい女性がキャラがいなくなったら、メインヒロインらしき人がいなくなるので、第3巻以降はどうなるのだろう。

話も面白いし、絵もかわいらしいので、1巻と2巻はとても良かったと思う。
原作は小説のようなので、続きが気になる場合は小説を読もうかな、と思っていたら、第2巻の巻末に原作者の「あとがき」があり、それを読むと、どうやら小説と漫画ではお話が少し違うらしい、ということが分かった。
ということは、漫画の続きは漫画で読むべき、かな。
漫画の第3巻が待ち遠しい。

小説を読んでいる人は漫画の方までは読まないかもしれないけれど、第1巻と第2巻の巻末には書き下ろし小説が付いているので、「漫画は読まないぞ!」と思っている人も、巻末小説を読むだけの目的で漫画を手に取ると良いかと思う。
巻末小説のついでに漫画も読めば、「漫画も面白い!」となるかも。

 


《関連リンク》
転生したらスライムだった件 漫画 一覧
転生したらスライムだった件 小説 一覧

前へ

KAWAI電子ピアノの上でお尻付近の毛をぶわっと逆立てて眠る猫-ゆきお

次へ

漫画『ワンダーランド』第1巻、第2巻を読んだ感想