絵画集『手の美術史』(編著者:森村泰昌)を読んだ感想

人の手に焦点をあてた絵画集。

美術史については、私にとっては専門外であるが、この本で様々な絵画に描かれる人の手を見ることができて、興味深いと思った。

一口に『手』と言ってもいろいろな描き方があることが分かる。

手の形、手つき、手の大きさ、手の角度、手の皺、赤子の手、老若男女の手、筋骨たくましい力強い手、弱々しい手、傷つけられた手など手の見た目だけでも様々。

この手の見た目に、手のポーズを組み合わせて見ていくと、手で表現できることに無限性を感じ、圧倒される。

変わったものとしては、解剖される手、骨の手も描かれていた。
(前者は、レンブラントの「トゥルプ博士の解剖学講義」、後者はレオナルド・ダ・ヴィンチの「手の骨の人体解剖図」の絵をクローズアップしたものだった)

長年の歴史を持つ絵画の世界において、手が様々な描写をされてきたことに素直に驚いた。

これまで、手については、絵を見る時に私は普段意識していないものであったが、この絵画集を見た今では、今後は絵画を鑑賞する際に、手に注目して見ることになるだろうなぁと思った。

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