写真集『パラダイス・イデオロギー 渡邉博史写真集』を読んだ感想
北朝鮮を題材とした写真集。
美しい女性を被写体としている写真が多く、北朝鮮の華やかな部分が、伝わってくる。
街の様子も、近代的ではないが、ゴミなどは落ちておらず、人の手でできる限り綺麗に清掃されていると思われる。
ニュースなどで聞く、悲惨な部分は写真からは伝わってこない。
北朝鮮内のどこでも、同じ状況なのかどうかは分からない。
北朝鮮指導者達の肖像画が街の至る所、家の中の壁などに飾られている様子などはよく分かった。
地球儀と世界地図を模したタイル張りの壁の写真は印象的で、北朝鮮と韓国が統一された一つの国として色付けがされている。
北朝鮮の人達の意識としては、国は分かれておらず、一つだという意識が読み取れる。
街の写真の中で、漢字や日本語のカタカナなどが書かれた看板があり、北朝鮮と仲のよい中国語の漢字ならともかく、日本語のカタカナの看板が存在することには驚いた。
看板に書かれているのは以下のようなもの。
日本の古い映画も放映されていたようだ。
レストラン
クラブビシン
和服専門
高屋 呉服
乳房拡張美容器店
神経痛
都民映画コンクール第一位入賞作品
酔いどれ天使
演出 黒沢明
脚本 植草圭之助
主演 三船敏郎
中化千枝子
東宝株式會社
北朝鮮のごく一部の面だけが分かる写真集かとは思うが、これらの写真からも色々なことが伝わってくると思った。