『10年つかえるSEOの基本』(著者:土居健太郎)を読んだ感想
目まぐるしく変わるWebの世界で、SEOの対策もコロコロと変わる印象を抱いていたから、「10年つかえるSEO」というタイトルを見て驚愕し、読んでみた。
私のこれまでの趣味的なサイト作りの思い出と重ねながら読むと、時代の流れ......老いと不勉強を感じてしまう個人的に痛い本でもあった。
本の表紙に
すぐに変わってしまう
トレンドを追うより
変わらない"考え方"を
おさえよう
と書いてあるように、どの時代でも通用する基本的なことが中心に書かれているので、SEOに普段から興味があってSEO関連の本を読んだことがある人であれば、「知っていることばかりが書かれていてつまらないじゃないか」となるかもしれない。
実際に、私も知っていることばかりであったが、知らないこともあり、勉強になった。
しかし、この本の目的を考えると、感想が変わってくる。
小手先の技術的なことを集めたいつ使えなくなるか分からない、意味があるかどうかもアヤシイ技術集的な本ではなく、本当に意味のある対策だけを集めた本であると考えると、分かりやすくてよいと思った。
私が、HTMLソースを手打ちでホームページらしきものを趣味で作ってみたのが、大学生の頃(1999年頃)で、もう16年も前の頃。
SEOなど全く気にしていなかった。
そもそも、誰かに見てもらうことはあまり意識していなかった。
私が作ったのは、当時、流行っていた個人ホームページを作ってみました的なサイトだったから、目の前にいる数名の知り合いに「とりあえず作ったよ!どう?」と見せて楽しむ程度であった。
私の16年も前の話は古すぎるとしても、16年前のことを思い出すと、この本に書いてあることは、16年前にも通用するような基本的なこと。
もちろん、当時の私はSEOなど知らないので、この本に書いてあるようなことは全く意識できずに作成していた。
このようなことを考えると、この本に書いてあることは、10年前からつかえたことだから、今から10年後も、たぶん、つかえるよ、という意味と考えてよいと思う。
2015年現時点では流行っているフェイスブックやツイッターは16年前どころから、10年前にもなかった。
この本では、「10年はつかえるSEO」とあるけれど、10年後も、現在のように法人や個人がドメインを取得して、レンタルサーバや自社・自宅サーバでサイトを構築して、ということが続いているかは分からない。
今のようなサイト構築手法が消滅していることはないだろうけれど、流行っていないかもしれない。
流行っていなければ、SEO対策の1つとしては、流行っているものに乗り換える、ということになるかもしれない。
中小企業や個人商店レベルだと、独自ドメインのホームページを持っていたのに、それを閉鎖して、フェイスブックやツイッターといったソーシャルメディアで代用している事例が増えてきている。
個人ホームページなどは、ほとんどがソーシャルメディアになっているのではないかと思うぐらい。
ソーシャルメディアへの乗り換えは、流行に合わせたSEO対策の1つと考えることができるかもしれない。
このような流行については、10年先も「つかえる」とは言えない。
しかし、流行を無視すると、SEO対策としては不十分であるから、流行も意識せざるをえないから、本格的な(?)SEO対策を行いたい人は、この本に書いてある基本的なSEO対策を学んだ上で、流行も意識したSEO対策を行っていく必要があるのであろうと思った。
企業サイトを構築して真剣にSEO対策を考えている人達は、大変だろうなあ、と思った。
私のこの個人的なブログは、10年後も続いているかは分からないが、私の性格を考えると、旧来のやり方を変えてソーシャルメディア的なものに乗り換えるというようなことはせず、少数派になっても(既に少数派のような気がしてならないが)、「え!?独自ドメインのサイトをまだ持ってるの!?もう誰も見ていないよ。今の時代、○○しか見ないよ」ということになっていたとしても、このままかもしれない。
とはいえ、当ブログに、フェイスブック、ツイッターに連携するボタンぐらいは、付けてみたいなぁ、と思った。
1か月に1回ぐらいは、誰かが、「いいね!」や「ツイート」を押してくれるかもしれない、と考えると、少しわくわくする。