『石橋 伝えたい日本の橋』(著者:平野暉雄)を読んだ感想
日本各地の石橋を撮影した写真集。
主に、九州地方、山口、京都、東京周辺の写真集であるため、全国を網羅しているわけではないが、十分、見ごたえがあった。
写真集に収録されている石橋で私が気に入ったのは、以下の2枚。
1.楠浦眼鏡橋(1878年)熊本県天草市楠浦町
石橋の通路全体を草が覆っていて、石橋周囲の土から生える草との境界が分からないのが良い。
背後の山と田園風景も緑であるため、石橋が石橋であることが分かるのは、草に覆われていない石橋の欄干や側面部、底面部に残る石の部分を見てのことだ。
いつまでもこのような風景が残っているとよいなあ、と思った。
2.行者橋(1786年)京都府京都市東山区知恩院前
正式名称は「古川町橋」とのこと。
欄干も付いておらず、幅の狭い橋の上を歩いて行く女子学生(?)が多数いて驚いた。
うっかりしていると、橋から落ちてしまわないかと心配になった。
この橋を通ると、通学や通勤にかかる時間を2、3分ぐらいは短縮できるのかもしれないが、皆、勇気があるなあ、と感心した。
このような楽しそうな風景が見られる京都の石橋はいいなあ、と思った。