アニメ『未来日記』(全24話)を観終っての感想
主人公・天野雪輝(あまのゆきてる/中学2年生)、ヒロイン・我妻由乃(がさいゆの/中学2年生)など約12名が互いを殺しあうサバイバルゲームのお話。
最後に生き残った一人は、神になることが約束されている。
サバイバルゲーム参加者達は、未来に起きる出来事を知ることができる「未来日記」を所有しており、この未来日記で得られる情報をうまく使い、相手を騙したり、相手から逃げたり、相手を殺すための作戦を実行する。
ヒロイン・我妻由乃は、主人公・天野雪輝のことをただ好きなだけではないストーカー。
色々な闇を抱えており、母親からは、家の中に設けられた鉄格子の檻に閉じ込められて虐待されている。
そういったことがきっかけで、由乃には心に深い闇が生まれ、両親を殺害してしまう。
由乃の自宅を訪れた雪輝は、殺害された由乃の両親のミイラ化した死体を目撃し、恐怖する。
そんな由乃にストーカー行為をされて恐怖を抱く雪輝。
雪輝の基本的に弱々しい性格、雪輝に恋愛感情を抱いている由乃の気持ちを利用して自分の手駒にしようとする卑劣な性格、これらを考えると、私は主人公・雪輝のことは好きではない。
しかし、それでも、同情の余地がある。
由乃は、かわいそうだとは思うが、由乃がここまで異常な状態にあると、雪輝の情けなさ、卑劣な心理・行動についても、仕方がないのではないか、と思ってしまう。
自分が、雪輝と同じ立場だったら、どのような行動を取るのだろうか。
雪輝と全く立場が違う、「アニメ視聴者」という立場で観ていると、個人的には、由乃は大変魅力的なキャラクターであり、ストーキングされてもいいと思う。
頻繁にメールが来ても問題ない。
ただし、家の窓を割って勝手に家に入られるのは勘弁願いたい。(つまり、物理的な被害は困る。)
自分や周囲の人が、殺されるのも勘弁願いたい。
全体的に、緊迫の連続であり、雪輝が物語の終盤に近付くにつれ、どんどんおかしくなっていく様子、それと合わせるかのように、由乃のことを愛するようになり、由乃を守ると決意するほどの堅い意志、そして、神になって1万年の時を超えてもなお、由乃のことが忘れられないほど由乃を愛し続ける病的なほどの強い恋慕、これらには惹かれるものがある。
雪輝の極端な心情の変化には不自然さがあり、違和感があるが、それもまた話を面白くしている要素かもしれない。
全体的に、大変面白いアニメだった。