写真集『BERLIN ベルリン』(著者:土田ヒロミ)を読んだ感想

ベルリンの壁が破壊されたのが1989年。
東西ドイツの統一が1990年。

写真集は、それらの年代よりも前の1983年から始まる。

ベルリンの壁の向こう側(東ドイツ側)を見るために設置された、ベルリンの壁よりも高い高さとなる物見櫓が設置され、その櫓から壁の向こう側を見ようとする人達の様子も写真に収められていた。

壁に描かれた多数の落書きも興味深い。

ベルリンの壁崩壊後の1999年と2009年の対比写真は、一見すると、区別が付かない。

どちらが新しいのか、と問われると、樹木の成長具合や道端に止まっている車の車種で想像するしかない。

ほとんど見分けがつかないものについては、建物の壁を見ると、劣化して剥げ落ちている範囲が広がっていれば、広がった方がより新しいと言えそうだが、これも注意が必要で、途中で補修をしている場合は、そうとも言い切れないからややこしい。

その他に、新しい年代になるほど、ベルリンの壁ではなく建物に落書きが描かれている例が多いように思えるので、それも、見分け方のポイントかもしれない。

どの年代でも落書きがある場合、落書きの内容が変わっているので、それがヒントになるかもしれないが、私にはさっぱり分からなかった。

ベルリンの壁の跡地、あるいは、ベルリンの壁が壊されずに一部分だけ残っている写真も見ることができる。

写真の全てではないけれど、西(WEST)と東(EAST)の方向も写真内にうっすらと印字されており、ベルリンの壁があった当時に、どちらが西ドイツで東ドイツだったかを想像しやすいようになっている。

今年は2016年。
ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツが統一されてから25年以上が経過した。

時の流れは早く、そこに壁があったということが分からないほどの変わりようをしている場所が多いようだけれど、そこに壁があったという痕跡や記念碑的な意味で壁を残している場所もあるので、この写真集を見ていると、完全に過去にあったものの痕跡がなくなるわけではない、ということを強く感じた。


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