写真集『死を待つ家』(写真・文 松本栄一)を読んだ感想
本書によると、インドの聖地バナーラスには、『死を待つ家』があり、この家に人が訪れるのは、悪しき輪廻から離れ、来世に希望を持つためとのこと。
この本を読むまで、そのような家があることは知らなかった。
本書によると、インドに住んでいる人の全員がこの家を使うわけではないし、家の存在を知らない人もいるということ。
マザーテレサが、この家を訪れた話もあり、興味深い。
写真集には、『死を待つ家』で死を待つ人と死を待つ人の身内の方々の写真、ガンジス川に浮かぶ小舟で死者を運び、死者を小舟からガンジス川に流そうとする写真、写真とは独立した文章が掲載されており、写真集を読むことで、インドにおける死と生についての考え方、風習をうかがい知ることができる。
死は誰にも訪れるもの。私自身の人生観にも影響を与えるほど、深く考えさせられる一冊だった。