写真集『武田花 写真集 猫・大通り』を読んだ感想
路地裏の猫、階段下の猫、階段上の猫、屋根の上の猫、道端の猫、ブロック塀の上の猫、草むらの上の猫、玄関マットらしきものの上にいる猫、道を歩く猫、10匹ぐらいで集会中の猫たち。
このような色々な猫たちを『武田花 写真集 猫・大通り』(著者:武田花(たけだはな))では見ることができて楽しい。
印刷代金の都合からか、白黒写真なのは残念である。
時折挟まれる著者の文章が、猫の説明というわけではなく、撮影時に近所の人に声をかけられた時のことなどで、不気味だと感じられるものがいくつかあった。
文章がなかったら、路地裏などで戯れる猫の写真集というだけの印象で終わっていたところが、文章があるために、猫達よりも、猫達を撮影している著者の心理状況であるとか、撮影場所の背景事情に強い印象を持ってしまった写真集だった。
著者の本意ではないかもしれないが、写真を減らしてでも、もっと文章を書いてくれたらよかったように思えた。