東野圭吾 『白夜行』
質屋「きりはら」の主人が殺害された時から、亮司(りょうじ)と雪穂(ゆきほ)の19年間に及ぶ悲しい物語がスタートする。小説の中では、2人はお互いに顔を合わせたり、言葉を交わすこともない。しかし、2人は確実に繋がっている。そのことを信じ、亮司と雪穂のそれぞれの身の回りで起きる様々な犯罪、トラブルを笹垣刑事は19年間も追い続けた。すごい根性・・・すごい執念だ。ところで、質屋殺しの時、亮司と雪穂の2人は当時小学生で、かつ、あのような目に遭っていたのだったら、あまり大きな罪には問われなかったのではないか、と考え込んでしまう。2人がお互いを守るために逃げれば逃げるほど、策を弄すれば弄するほど、ますます事態は悪い方向に転がっていくような気がした。また、この小説は、毎週木曜日21時から連続放映されているTBSドラマ「白夜行」の原作になっている。普段あまりテレビドラマは観ないのだが、2006年1月12日の初回の放映をたまたま観て目が離せなくなってしまった。あまりにも面白かったので、原作(文庫本)を買ってしまった。僕が購入した文庫本の表紙上部には、左に綾瀬はるか(唐沢雪穂役)さん、右に山田孝之(桐原亮司役)さんの白黒写真が印刷されている。ドラマの放映が始まった頃に書店で見かけた文庫本は風景写真の表紙だったが、ドラマの影響で僕のように文庫本を買う人が急増したため、このように俳優を表紙に印刷した文庫本が作られたのかもしれない。僕が買ったのは、3月になってからだと思う。文庫本で854ページもあり、値段も1050円もするので買うのをちょっと躊躇し続けていたのだが、ついに耐え切れなくなり買ってしまった。さて、毎週が楽しみだったこのドラマは、今週3月23日にいよいよラストを迎える。いったい、どんな結末が待っているのだろうか。原作のラストでは雪穂は涙を流さなかったが、ドラマはどうだろうか。第1回目の放映で、サンタクロース姿の亮司が血を流しながら倒れているのを見て雪穂は辛そうだったが、最終回では、どのような行動を取るのだろう。原作とドラマでは相違点がかなりあるので、ドラマの最終回が原作とは全然異なる結末になるのではないか、と期待。今週木曜日が楽しみ。
《備考》 『白夜行』(びゃくやこう) 作者:東野圭吾(ひがしのけいご) |
白夜行のDVD-BOXが2006年6月23日に発売予定のようだ。欲しいなぁ。
TBS系ドラマ「白夜行」 《参考:TBS「白夜行」) ◆キャスト 桐原亮司:山田孝之 ※小学生の時の亮司は、泉澤祐希 唐沢雪穂(西本雪穂/高宮雪穂):綾瀬はるか ※小学生の時の雪穂は、福田麻由子 笹垣潤三:武田鉄矢 古賀久志:田中幸太朗 桐原洋介:平田満 桐原弥生子:麻生祐未 唐沢礼子:八千草 薫 園村友彦:小出恵介 菊池道広:田中圭 川島江利子:大塚ちひろ 篠塚一成:柏原 崇 高宮 誠:塩谷瞬 松浦勇:渡部篤郎 栗原典子:西田尚美 西口奈美江:奥貫 薫 谷口真文:余貴美子 |
ドラマ「白夜行」オリジナル・サウンドトラック 。 |
柴咲コウ 『影』。『白夜行』の主題歌。ドラマの情感を高めるのにかなり大きな役割を果たしていると思う。 |