愛媛県東温市の雨滝ほたるの里で手の平に乗る蛍に癒される

愛媛県では6月の上旬から中旬は蛍を見られるシーズン。
毎年、この時期に蛍を見ることを楽しみにしている人は多いであろう。
私も楽しみにしている1人。

今年も蛍を見に行こう、と妻に提案すると、毎年訪れている竹山荘もいいけれど、最近テレビで紹介されていた東温市の蛍を見に行ってみたい、とのこと。

東温市と言ってもエリアが広いので、どの辺りかを妻に聞くと、おしゃれな感じのするカフェkuroimori(クロイモリ)の近くとのこと。

そのクロイモリの正確な住所がよく分からなかったけれど、東温市河之内にあることは分かった。
場所については、国道11号から国道494号に入って東谷小学校を過ぎて少し行ったところにある、ということも分かった。

大雑把な情報で車を走らせるのは、少し不安であったけれど、東谷小学校、音田消防詰所を過ぎて間も無くすると、国道494号沿いの左手にカフェ・クロイモリはあった。

愛媛県東温市河之内のカフェkuroimori(クロイモリ)の外観
愛媛県東温市河之内のカフェkuroimori(クロイモリ)の外観。

19時21分頃。

まだ外が明るくて蛍を見る時間としては早い時間帯であったから、外が暗くなるまではこのカフェで時間を潰そうと思ってカフェの入り口に向かうと、お兄さんが出てきて、17時0分で営業が終了していることを告げられた。

お兄さんからは、2日前までは夜も営業をしていたのですが、と申し訳なさそうな説明があった。

カフェが早く閉まるということは、ひょっとしたら蛍のシーズンは終わったのではないかと不安になった妻が尋ねると、蛍はまだ飛んでいますよ、とお兄さんの説明があり、安堵する。

さらに、カフェの駐車場は蛍の鑑賞をする人達のために開放しているということであったので、カフェの駐車場に車を停めたまま蛍鑑賞ができる場所まで歩いて行くことになった。

蛍鑑賞ができる場所までカフェから歩いて5分程度の距離とのこと。
親切なお兄さんに感謝して、蛍鑑賞ができる場所まで歩いて行く。

愛媛県東温市河之内の国道494号沿いの音田消防詰所付近
愛媛県東温市河之内の国道494号沿いの音田消防詰所付近。

カフェ・クロイモリから国道494号の坂道を下って行くと、左手に見える音田消防詰所の隣に、蛍鑑賞ができる川まで歩いていける細い道があった。

東温市河之内の雨滝ほたるの里の案内板
東温市河之内の雨滝ほたるの里の案内板。

この案内板を見て以下のことが分かった。

雨滝ほたるの里での蛍の見頃となる季節は6月上旬。
蛍が鑑賞できる時間帯は午後8時から9時頃。
蛍が生息する川の名前は表川。
消防詰所から表川までの道は200メートルあり、歩いて5分程度。

東温市河之内の雨滝ほたるの里の夕闇の田園風景と表側までの道
東温市河之内の雨滝ほたるの里の夕闇の田園風景と表側までの道。

カエルの大合唱を聞きながら、田園に囲まれた道を下って行くのは楽しい。
田んぼで飛び跳ねるカエルを見つけては、小学六年生の娘は喜んでいた。

東温市河之内の雨滝ほたるの里の表川前にある「ほたる河原」の標識
東温市河之内の雨滝ほたるの里の表川前にある「ほたる河原」の標識。

この標識があるので、目の前に蛍が生息する河原があるということがすぐに分かる。

東温市河之内の雨滝ほたるの里の表川
東温市河之内の雨滝ほたるの里の表川。

川岸の両端がコンクリートで舗装されていない川。
川の向こうは人が立ち入ることができそうにないほど背丈の大きな雑草群。
人の手があまり及んでなさそうな雰囲気なので、蛍が期待できる。

時刻は19時半頃。
まだ明るいので蛍は飛んでいない。

20時を過ぎて暗くなる時間までは、表川の川の流れる水音やカエルやその他の虫の鳴く声を聞いたり、妻と娘と会話したり、私達家族のように同じく蛍鑑賞に来たという見知らぬおじさん達と会話して、のんびりとした時を過ごそうと思っていたら、暗くなる20時までは待つ必要がなかった。
まだ20時前の明るい時間帯のこと。

「あそこに蛍が飛んでる」
「ほんとだ」

おじさんが第一声を発し、妻がそれに答えた。
妻とおじさん達が注目する先を見ると、蛍がゆっくりと光を明滅させながら飛んでいた。

20時を過ぎる頃には何十匹という蛍が飛び、幻想的な光景となった。

蛍の美しさに感嘆の声をあげながら妻が言った。

「一眼レフ持って来たらよかったね」
「そうだね。こんなにいるとは思わなかったね」

スマートフォンでも蛍の群れを綺麗に撮影する方法はあるかもしれないけれど、普通のやり方ではできそうにない。

「写真でも動画でも暗すぎて写らない」という嘆きの声が、他の蛍鑑賞者の人達から上がっていた。

私が持っているiPhone 6でも撮影はできなかった。

娘からは頼もしい意見が出される。

「写真に撮れなくても別にいいんよ、この目に焼き付けておけばいいんよ」
「そうだね。そうしよう」

蛍を見る川の場所を変えたりしながら、蛍を見ているうちに1時間ほどの時間が過ぎた。

20時38分頃、川辺の草むらで2匹の蛍が光を明滅させながらじっとしている様子に気づいた。
交尾をしているのかもしれない。

撮影できるかな、と思って近づき、2匹の蛍のそばで身をかがめると、2匹とは別の蛍が私に向かって飛んで来て、iPhoneを持っていない私の左手の手の平の上に乗って止まった。

東温市河之内の雨滝ほたるの里の蛍が私の手の平の上で光る様子
東温市河之内の雨滝ほたるの里の蛍が私の手の平の上で光る様子。

蛍を捕まえようとして蛍を追い回していたわけでもないのに、手の平の上に自然と着地して来た蛍。
可愛らしいやつだと思った。

妻や娘からは「いいなあ」と羨望の声が上がる。

「ゆっくり、そっと見においで」

妻や娘たちが近づいても、蛍は手の平の中で優しい光を放つ。
手の平の中でゆっくりと明滅する蛍の淡い光を見ていると心が癒された。

蛍は、私の手の平の上に1分ぐらいはいてくれたと思う。
そのうち、すっと手の平を離れて飛んで行った。
私では交尾の相手にならないと判断されたのかもしれない。

交尾をしていたと思われる蛍2匹のうち、1匹は地面の草むらの中に落ちてひっくり返っていた。
死が間近なのかもしれない。

可愛らしい光を放つ蛍に癒される一方で、蛍の一生の短さについて考えると切ない気持ちにもなった。

最後はしんみりとしてしまったが、今後も美しい蛍の光を見続けたい、と思った。


蛍 日本のホタルの原風景を求めて【文春e-Books】

前へ

ドギーマン さらふわマットの上で眠る猫-ゆきお

次へ

金沢駅から徒歩10分の銭湯・瓢箪湯に入った感想