上林森林公園の風穴は冬でも涼しい?寒い?温かい?
上林森林公園の風穴は、夏でも風が涼しくて気持ちがいい、ということを人から聞いたことがあったので是非行ってみたいと思っていたが、行くのを忘れてしまっていた。
娘の大学受験の前期試験の結果が出ず、まだ後期試験が終わっていないという時期でもあったため、娘を登山に連れて行くわけにもいかず、私1人で登山に行こうと考え、どこに行こうかと考えた末に、何故か冬の寒い日の今日、風穴に行くことを思いついた。
風穴は夏でも涼しいということだが、冬でも涼しいのか?
いやいや、冬なんだから涼しいを通り越して寒いのではないか?
あるいは、夏の涼しいは冬だと逆に温かいのか?
...なんてことが気になってきたので、もう確かめるためには風穴に行くしかない!
愛媛県道209号を山に向かって進んでいると、右折する道の入口に「皿ヶ峰・上林森林公園 風穴・上林トンネル」という看板が出ていることに気づく。
上林森林公園の読み方はかみはやししんりんこうえんだ。
愛媛県道209号(直進・二車線の道路)と美川方面の林道(右折して入る道路)。愛媛県道209号については「この先通行不能」という道路標識が置かれているため、このまま愛媛県道209号を進んで行っても通行止めのため通り抜けができないことが分かる。今日は「風穴」を見たいと思っていたので、ここで右折して林道上林河之内線に入る。
林道上林河之内線の出入口。
林道上林河之内線を進んで行くと、道路右わきの地面に上林ささゆり緑の少年隊の記念碑が立っていた。林道の出入口付近では雪の気配が全くなかったのに、このあたりからは道路の脇の地面に積もっていた。道路には雪は積もっていなかったが、山道を登るにつれて雪が増えていった。
道路の左右には背の高い林が続いており、陽当たりが悪くて雪が残りやすいのかもしれないが、道路脇だけでなく、アスファルトの道路の中央あたりにも雪が積もっている様子が見られた。
上林森林公園 水の森が視界に入った際には驚いた。普通に雪が積もっているからだ。
上林森林公園 水の森の駐車場出入口。トイレの建物。駐車場出入口の目の前の道路には雪は積もっていないが、駐車場やトイレ周辺の地面には雪が積もっている。
トイレは男子用、女子用、多目的トイレの3種類があるようだったが、「冬季凍結の為トイレ施設の使用禁止 東温市」という張り紙と共にロープが張られていて誰もトイレの中に侵入ができないような対策が施されていた。寒いとトイレが近くなる私としては、トイレが使用できないのは大変残念であった。(結構離れた別の場所「光の森」には使用できるトイレがあったので助かった。後述する。)
上林森林公園 水の森の駐車場付近には雪が積もっているが、数台の車が停まっていた。ここまでの道路には雪がほぼ積もっていないのでノーマルタイヤでも問題ないが、この写真を見ても分かるように、この先の道路は基本的に雪で覆われていて真っ白。この先に車で進むのであればスノータイヤとかチェーンとかで雪道対策をしないといけないと思う。
上林森林公園 水の森に設置されている地図の看板。この地図の上部の表記より、「上林森林公園」の英語表記が「KAMIHAYASHI FOREST PARK」であることが分かる。その他に分かることとしては、現在地が水の森であること、これから向かう先が光の森であり、そこから風穴に行けることが分かる。また、今回は訪れないが、風穴から皿ヶ峰に行けること、皿ヶ峰の標高が1270.5mであることが分かる。看板の右下に重信町という町名があるため、東温市が誕生する前からこの看板があることが分かる。
※重信町の読み方はしげのぶちょうだ。
上林森林公園 水の森のトイレと駐車場の近くにあるベンチのすぐ目の前に階段状の山道があり、小さい看板なので気づきにくかったけれど、「キャンプ場 風穴 ↑」という看板があった。
風穴を目指しているので、この山道を登ることにする。
雪が積もった山道を登っていくと「植物や土石を採ったり、空き缶などのゴミを放置しないよう登山のマナーを守って自然に親しみましょう。東温市観光協会」という看板が設置されていた。その通りだと思う。
雪の山道の右側の足元を見るとアオキという看板があった。植物の勉強になる。
水の森の階段の山道はもうすぐ終わり。この先はアスファルトの道路(林道上林河之内線)に繋がる。
水の森の登山口に至る下り道。先ほどまで登ってきた雪が積もった山道だ。
冬季通行制限解除中
林道上林河之内線
・除雪は行なっていません。
・凍結、落石にご注意下さい。
東温市役所農林振興課 089-964-2001
この看板のすぐ横を通っている道路は林道上林河之内線。
「風穴600m」と「上林トンネル」の方向表示の看板。
風穴を目指しているので、方向表示の方向と一致する道路に向かって歩くことにする。
雪道だから滑りやすいのだと思うけれど、私の数メートルぐらい先で私よりも年配と思われるおじさんが滑って転んでいるのを目撃した。その後、そのおじさんが転んだ場所付近まで私が歩いて行ってすぐに分かったことだが、アスファルトの道路上の雪が一部解けて氷上になっていたので、とても滑りやすかった。注意しなくては。
上林森林公園 光の森に向かう道路は、道路全体に雪が積もっていたので車は通らないと思っていたら、普通に車が通っていたので驚いた。
雪が積もっていようと、山が好きな人にとっては雪は関係ないんだろうなぁ。雪道で転ばないようにするだけでなく、車にも注意して雪道を歩いて行く。
上林森林公園 光の森の駐車場が左手に見えてくると、それまで積もっていた道路上の雪がなくなり、アスファルトがむき出しとなった。車の出入りが多くて雪が溶けやすいのかな。
上林森林公園 光の森 駐車場(風穴により近い駐車場)。道路上の雪は積もったまま。この道路の先に風穴への登山口がある。
振り返って先ほどまで歩いていた道と駐車場を眺める。
上林森林公園 光の森 駐車場(風穴から少し遠い駐車場)。道路上の雪は解けている。
上林森林公園 光の森 雪が解けた道路とトイレ。
上林森林公園 光の森のトイレ。最初に訪れた水の森のトイレは凍結のために使用禁止となっていたが、この光の森のトイレは使用禁止になっておらず、普通に使うことができた。トイレを我慢していたので大変有難い。
上林森林公園の地図の看板。現在地は光の森。
上林森林公園 光の森の風穴登山口前の道路。雪道を歩き、写真左手に見える階段を登っていく。
階段を登りきると、林道に出た。
上林森林公園 光の森 風穴に向かう登山道。階段状になっている。雪道になっているので滑らないように注意して登っていく。
風穴の方向表示の看板を見ると、右側の木の階段ではなく、左側の山道を歩いて行くように、というように見えたので階段ではなく雪道を歩いて行った。
風穴に向かう雪の山道。
ベンチがあったので一休みしたい気分ではあったが、雪が積もっているので休まずに頑張って風穴を目指すことにする。
上林森林公園 風穴近くの柵と小屋。これまでの雪道と同様に、周囲には雪が積もっている。
「風穴」の説明をしている看板には以下の情報が記載されている。
風穴とは
この風穴は、切り立った斜面の末端部や地滑り地形に分布するタイプに分類される。
地価の空間に雨水等が浸透し、冬の冷たい外気がそこへ流れ込むことで、地下氷が成長する。この地下氷が冷風のもととなり、山の斜面に堆積した岩の隙間から冷たい風が吹き出すといわれている。夏季には湿度等の条件が整えば、白いもやが出現する。
風穴下部にある石堀は、蚕種を冷蔵して孵化を抑制し養蚕の時期を延長させる貯蔵決として利用されていた。現在では、冷気がたまる仕組みを利用して、高山帯(チベット・中国西部中心)に分布する通称「ヒマラヤの青いケシ」(メコノプシス・ベトニキフォリア)を有志が栽培している。
開花時期:6月中旬~7月下旬
自然の恵みである「水」を育む森林は、私たちの大切な資源です。
美しい自然を大切にしましょう!
東温市観光物産協会
東温市イメージキャラクター いのとん
この看板に付けられている振り仮名を見ることで、風穴の読み方は「ふうけつ」ではなく、「かざあな」だということが分かる。
柵と風穴。
柵に取り付けられている看板に記載されている情報は以下の通り。
お願い
危険ですので柵の中へは入らないで下さい
東温市
ヒマラヤの青いケシ
(学名:メコノプシス・ベトニキフォリア)
登山家から「天上の妖精」と呼ばれている<幻の青いケシ>
原産地はヒマラヤ山脈(チベットの北西部)の標高4~5,000mの草原。
低温性で暑さには極端に弱く、寒さには強い。
湿潤な環境を好み、植物体には金色に近い毛が密生している。
草丈1.5m程度で、直径10~15cmの青~淡い赤紫色の花を開く。
基本的に4弁花だが、稀に5弁、6弁の個体がある。
花色は、土壌の酸・アルカリの度合いによって、青~淡い赤紫色のゆるやかな変化が見られる。
皿ガ嶺1271mの中腹に風穴があり、この周辺の岩穴から吹き出ている冷たい空気(常時≒20℃以下)を利用して栽培している。
花言葉:「底知れぬ魅力を湛えた」 英名:Tibetan blue poppy
ヒマラヤの青いケシの花言葉が「底知れぬ魅力を湛えた」というのが素敵だ。勉強になる。
上林森林公園 石堀。雪が積もっているのでヒマラヤの青いケシが栽培されているのかどうかはよく分からなかった。
上林森林公園の風穴。
岩の隙間に手をかざしてみたけれど、涼しい風も冷たい風も感じることができなかった。
先ほど見た柵に取り付けられている看板の情報だと「この周辺の岩穴から吹き出ている冷たい空気(常時≒20℃以下)」とあるため、20度以下の冷たい空気を感じることができるのではないかと思ったけれど、何も感じない。
雪が降り積もっているような時だと、20度以下の空気が風穴から流れてきても分からないのかなぁ、とか、逆に風穴からの「20度以下の空気」というのが20度近い空気だとしたら、今日のように雪風が舞う天候だと「温風が吹いてきた」と感じるのかもしれないなぁ、などと色々と考えて数分間は待ってみたけれど、全く風は吹いてこなかった。
風穴から風が全く吹いてこないので、上林森林公園の風穴は冬でも涼しいかどうか、という私の疑問については「風が吹いてこないのでよく分からない」という結論になってしまった。残念!
冬に何度も風穴を訪れることはないと思うけれど、今度また確かめにきてもいいかなぁ。
上林森林公園 風穴の隣のベンチ。
雪が積もっていなければベンチに座って風穴から風が吹いてくるのかどうかをもっと長時間待っていてもよいかも、と思ったが、寒いので雪がなかったとしても長時間は待てないなぁ、と情けないことを考えた。
風穴の見物が終わったので駐車場に向かうことにするが、駐車場に向かう前に風穴のすぐ近くにある皿ヶ峰登山口をちらっと見学する。
風穴のすぐ近くにある皿ヶ峰登山入口。雪道なので、このままついでに1人で皿ヶ峰に登る、ということは今回はやめようと思った。
皿ヶ峰登山入口の看板に記載されている情報は以下の通り。
登山道を通る皆様へ
この先立枯木あり。頭上に注意!!
※ピンクテープ等は危険木(立枯木)
また、落石のおそれもあるため、注意してください。
上林峠コースについては、
崩土のため、通行できません。
別ルートでの登山をお願いいたします。
東温市
愛媛森林浴八十八ヶ所 五十三番 皿ヶ峰・上林森林公園の標識がある。いつか八十八ヶ所全部を訪れてみたいものだ。
愛媛県
平成十五年三月
「草花は手で採らずに写真で撮りましょう」という看板。うまいこと言うなぁ。私自身はもともと採集する気はないけれど、写真をいっぱい撮ろうと思う。(今は冬なので春になったら草花の写真を撮りに来なくては!)
草花は手で採らずに写真で撮りましょう。
(撮影の際の踏みつけに気をつけて。)
この植物はこの場所でしか生きられません!
あなたの後から来る人のためにも
採らずにここで保護しましょう
この木製看板は森林環境税を
活用して整備されたものです。
H22 愛媛県
風穴からの帰り道。雪道を歩いて行く。
雪道が階段となっているので、滑って転げ落ちないように気を付けて階段を降りていく。
上林森林公園 光の森の駐車場が見えるところまで降りてきた。手前の駐車場と奥の駐車場に停まっている車の合計は10台ぐらいかな。私の車は光の森の駐車場ではなく、水の森の駐車場に停めてあるため、さらに雪道を下っていく。
上林森林公園 水の森の登山口に向かう下り道。雪道の階段であるため、とても気をつけておりなくてはならない。
雪で足元がよく見えないため、転げないように気を付けながら道を下っていく。
駐車場、避難小屋が見えてきた。水の森 登山口までもう少し。雪の下り道でこけないように気をつけて降りていく。
上林森林公園 水の森の避難小屋。
上林森林公園 水の森 避難小屋の看板に記載されている情報は以下の通り。
避難小屋の使用について
一 ご自由にお使いください。
一 火器の取り扱いには十分気をつけて下さい。
一 使用後は、後片付けをして下さい。
一 ゴミは必ず持ち帰って下さい。
一 戸締りを忘れないようにお願いします。
みどりと文化のまち
重信町
上林森林公園 水の森の避難小屋の軒下。
急な雨が降ってきたら軒下で雨宿りができそうだ。軒下の板張りの廊下はしっかりしており、綺麗。出入口は自由に開閉できそうだったけれど、今日は特に用がないので出入口は開けないことにした。
次回訪れた際に、もし、急激に吹雪いてきて身動きができなくなるような緊急事態になったら、この避難小屋を使わせてもらうような時があるかもしれない。
避難小屋からの眺めがとてもよかった。東温市内だけでなく、松山市内、瀬戸内海まで眺めることができた。
水の森の駐車場から風穴まで行って帰って来るのに、約1時間。
雪の山道を運動不足の体でゼェゼェと荒い息をしながら必死になって歩き、写真を撮ったり、看板の文章をゆっくり読んだりしながらなので、ゆっくりとした登山だった。
風穴からの空気が冬だと涼しいのか、寒いのか、温かいのか、という個人的な疑問については解消できていないが、いい運動になったし、雪景色の上林森林公園を散策するのはとても気持ちがよかった。
またここに来たい。
上林森林公園の風穴の場所
住所
愛媛県東温市上林