IHで目玉焼きが何分待ってもできないと思ったら・・・

数年ぶりに、ふと、料理らしきことをしてみたいと思い、今朝、目玉焼きを作ることになった。

料理は妻任せだったが、たまには、自分でも作ってみたい時があるものだ。

毎朝出勤前に見ているテレビ番組ZIP!のMOCO'Sキッチン(モコズキッチン)で、俳優の速水もこみちさんが料理をしている様子を見て感化されたかどうかは分からないが、とにかく、作ってみたいと思った。

まずは、簡単そうなものから、ということで、目玉焼きでも。

 

冷蔵庫から卵を出していると、本日誕生日で9歳になったばかりの娘が卵を見て、衝撃の発言。

「これって、目玉焼きの材料になるん?」

「本当に、知らんの?」

「うん」

「今から、目玉焼きを作るから、ここで見とれよ」

9歳にもなって、目玉焼きが卵を焼いたものだということを知らなかった娘に、不安な気持ちになった。

私が料理をする様子を見てもらって、目玉焼きがどうやったらできるかぐらいは、この機会に知ってもらおう。

 

娘を横に立たせながら、目玉焼きを作り始める。

まずは、フライパンをIH(電磁調理器)で少し温め、サラダ油を少量、フライパンに注ぐ。

フライパンの上の一点に滴り落ちたサラダ油を平面上に広げていく作業を楽しむ。

妻から声がかかる。

「温度は、弱火にしておかないと焦げるよ」

「それぐらい分かってるよ」と答えながら、私は衝撃を受けていた。

私自身は、IHは、カップラーメン用のお湯を沸かすぐらいの目的でしか使ったことがなかったで、本日初めて、IHで温度調節ができることを知った。

そうか、強火にしておけば、もっと早くお湯が沸いたのか。

 

しばらくフライパンをIHで温めていると、キッチンと少し離れた場所の和室にいた妻から新たな助言。

「フライパンの真ん中の赤い丸が、真っ赤になったら温まってるよ」

フライパンを見たが、赤い丸があることは分かったが、これが真っ赤になったら、とはどういう意味だろう。明るくなるのだろうか。

フライパンの上に手をかざしてみると、熱気が伝わってくる。

赤い丸のことは分からないが、これなら焼けるんじゃないかな、と思い、卵を割り、フライパンの上に、黄身と白身をそっとのせる。

玉子が焼ける音がして安心する。

2、3分待ったら、できるかな。

5分経過。

10分経過。

白身は焼けているようだが、黄身が生の状態。全く焼けていない。

おかしい。

IHの温度を強くしたらよいのだろうか、と思ってボタン付近を見ると、IHが稼働していることを示すランプが消えていた。

「IHが勝手に消えている」と私が叫ぶと、妻は、やれやれといった感じで、答える。

「フライパンをあげた?フライパンをあげると、IHは消えるよ」

 

今住んでいる自宅の加熱器具は、ガスコンロではなく、IH(電磁調理器)。

私が最後に料理をしたのは、ガスコンロだった頃のこと。

ガスコンロだと、フライパンをあげて(フライパンを持ち上げて)、フライパンを傾けて、といった調理をしても火が消えることはなかったが、IHではそうしてはいけなかったようだ。

 

娘がニヤニヤしながら、私を見ていた。

目玉焼きの材料が卵だと知らなかったことを私から馬鹿にされていた娘にとっては、偉そうにしていた私が、IHのことをほとんど知らなかったので、面白かったのかもしれない。

気を取り直して、IHの電源を再度入れて、フライパンを再加熱して2、3分待つと、黄身が固まり、美味しい目玉焼きができあがった。

焼きたてのパンの上に、目玉焼きをのせる。

妻からは、天空の城ラピュタで出てくるおいしそうな料理のようだね、と評され、頬張った娘からは、おいしい、と言われた。

目玉焼きでそこまで言われると、気恥ずかしいが、私自身も、美味しいと思った。

また、何かを作ってみようかなぁ。

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