松山観光港での初の船内休憩は荒天のために中止になった
松山観光港を午後9時55分に出港し、小倉港に午前5時0分に到着するフェリーは、関西汽船株式会社の時代から、小倉港で朝7時まで船内休憩ができていたが、反対の航路となる小倉港を午後9時55分に出港し、松山観光港に午前5時0分に到着するフェリーは、松山観光港での船内休憩はできなかった。
それが、関西汽船株式会社が株式会社ダイヤモンドフェリーと株式会社フェリーさんふらわあの3社が合併して(株)フェリーさんふらわあとなってから、どうやら松山観光港で船内休憩ができるようになったらしい、と会社の人から聞いていたが、まだ一度も利用する機会がなかった。
昨夜から今日にかけて、久しぶりに小倉港からフェリーに乗る機会が訪れたのだが、フェリーに乗るまで、この船内休憩のことはすっかり忘れていた。
しばらくは、シャッターの降りたレストランを眺めながら、「ああ、もう、注文して作ってもらう食事のサービスは廃止されたのだなぁ。小倉駅で食事をする時間がなくてフェリーに飛び乗った時は、何度か利用させてもらって助かっていたので、なくなったのは残念だなぁ」とこれも会社の人に聞いていた情報ではあるが、改めて自分の目で確かめて悲しい気持ちになっていた。
そんな中、
「荒天のため、明日の松山観光港での船内休憩は中止させて頂きます」
という衝撃の船内アナウンスが流れた。
船内休憩ができる、という情報が本当だったことが分かって少し嬉しかった一方で、私にとっては、初めてとなる松山観光港での船内休憩を経験する機会を喪失したことも分かり、悲しい気持ちになった。
しかし、小倉駅から小倉観光港に徒歩で向かっている時に台風並みの暴風のために歩くのが困難だったし、その風の影響で海が荒れていて、フェリーが揺れまくっているのは事実であり、安全を考えると、仕方がないことだろう。
フェリーに向かっている時は、「こんなに風が吹いていて、フェリーは出港できるのだろうか?ひょっとして、欠航になったりしないだろうか」という不安を抱えていたので、この荒天の中、欠航とせず、出港する判断を下してくれたフェリー会社には感謝することにした。
そういったことを思っていると、松山観光港で船内休憩を初体験する機会は逃したものの、代わりに、松山観光港で船内休憩を初体験する機会を荒天のために逸したという初体験ができたので、こっちの方がなかなか経験できないことだから、実は良いかも、という気持ちになった。
その後、2等室に移動し、自席にマットを敷いて寝転んだ。
フェリーが揺れまくっていたので、今日は珍しくフェリー内でPCを触ることはやめた。(一瞬、試みたのだが、座っているだけで頭が揺れて気持ち悪くなってきたので、すぐに寝転んだ。)
寝転がっていれば揺れが気にならなくなるので、iPod Touchで遊んだり、小説を読んだりしていた。小説がいよいよ面白くなってきたところで、23時8分頃、突然、船内の明かりが消えた。
2等室は消灯の時間があることを思い出した。
実は、今回の出張でかなり体力を消耗していたらしく、立ち上がってトイレに行く気力もなくてトイレを我慢しているような状態だったので、船内の灯りがついた場所に移動して小説を読み続ける気力も生まれなかった。もっとも、その気力を生み出すようなほどの凄い小説だったら話は違ったが......。
眠気はなかったと思っていたのだが、暗闇の中で目を閉じると、あっさりと眠ってしまった。
途中で何度か目を覚ましたものの、朝4時45分頃までずっと寝ていた。
フェリーは揺れまくったが、眠りには全く影響しなかった。
6時間近く寝ることとができたので、寝不足でもないから、もしかすると、夜更かしをしなければ、船内休憩は不要かも、とも思った。