山田悠介 『リアル鬼ごっこ』

身勝手な無能な王様が自分の名字「佐藤」さんが全国にたくさんいることに腹を立て、たったそれだけの理由で佐藤さん狩りを始める。狩りの方法は鬼ごっこ。鬼は王国の兵士で、鬼ごっこの時間は23時から1時間、1週間だけ開催される。鬼につかまったら殺されてしまう・・・という恐怖感に襲われながら全国の佐藤さんは必死で逃げる・・・。
さて、この本の存在は書店にたくさん置いてあったり、漫画化もされていたので知っていた。しかし、鬼ごっこで全国の佐藤さんをつかまえていくという着想はそんなに面白いものとは思わなかったので今まで読むことはなかったのだが、どういうわけか気分転換に読んでみようと思ってしまったので読んでしまった。読んで後悔。ストーリー展開に意外性は感じられず、予想通りの結末となってしまうところや、「この日本語表現っておかしいよなあ?」と思うところが何箇所もあり、文章力に不満。文章力に不満点が出てくると興ざめしてしまい、小説の内容よりもそのことばかりが気になって話に集中できなかった。でもまあ、この作家は私よりも4歳も若いので、これからもっと文章力がついてくるのではないかと期待してみようかなあ・・・。

前へ

娘、松前公園で遊ぶ (愛媛県伊予郡松前町大字筒井)

次へ

萩尾望都 『銀の三角』