| 「推理小説史上初のトリックが読者を迷宮へと誘う。前人未到のメタ・ミステリー」という文句が文庫本カバーの裏に書いてあったのでかなりわくわくしながら読み始めた。謎解きシーンに入ると、途中何度も前のページに戻って、至極丁寧に読み返した。最後の数ページまで、犯人が「どうなってるのか」よく分からなかった。映像化はかなり難しそう。人によっては、「こんなのありか」と思うかもしれない。私にとっては、あまり読後感はすっきりしなかったが、作者に「まんまとやられた」ので、それだけで満足している |
筒井康隆の最近のブログ記事
| 表題作を含め、10の短編が収録されている。また、附録として、「断筆解禁宣言」があり、筒井康隆が断筆を開始してから解除するまでの経緯が書かれている。表題作の「エンガッツィオ司令塔」は、貧乏な学生が恋人に100万円を超える高価な指輪をプレゼントするために、製薬会社の薬の実験台のアルバイトをするお話。この主人公のすごいところは、製薬会社のかけもちをして、同時期に色々な薬の被験者になるところ。薬の作用の前に、この時点で、もう精神が破綻している…。「猫が来るものか」では、日本に限らず、世界中の作家の薬物使用についての話が出てきて面白かった。「首長ティンブクの尊厳」では、アイザック・アシモフのロボット三原則をギャグとして使っており、アシモフ好きの私としてはかなり笑ってしまった。 |
| 「囹圄」の読み方が分からなかった…。どのような意味かは、読み進めていくうちに分かったけど。分からなかったので、主人公の珠子と僕は同じレベルで会ったことがない「おじいちゃん」について色々と思うことができた(中学生の珠子と同じレベルというのは情けないことだけどね)。こんなに粋なおじいちゃんが世にたくさんいてくれたらいいのになあ、と思うほど、このおじいちゃんは魅力的な人だ。不良中学生、やくざたちに臆することなく立ち向かうおじいちゃん、孫娘を愛するおじいちゃん…素敵だ。 |
| 表題作を含めて5つの短編SFが収録されている。「細菌人間」は、「ミクロの決死圏」(1966年の映画で、後にアイザック・アシモフが小説化)のアイデアと共通するものがある。巻末の「作品解説」では、「細菌人間」の方が映画の公開よりも先に発表されているから、「ミクロの決死圏」の影響を受けてはいない、とあるけど、本当のところはどうなんだろう。どちらも1966年の発表だから、普通影響があったと思いたくなるんだけど…。まあ、それは別としても、この本に収録されている短編は全て、古典的なSF小説を少年少女に楽しんでもらうという発想では成功している。なんだか、懐かしい気がした。 |