赤川次郎の最近のブログ記事

20年前の事件の告白をしようとする父親と、それをとりまく家族のお話。赤川次郎の作品は、女子高生や女子大生が活躍するものばかりと思っている人が多いが、このようなサスペンスもある。やはり赤川次郎は面白い。
表題作を含む5つの短編が収録されている。表題作にはありえないような設定・事件ばかりが出てきて、さらにそれが同時に起きる。赤川次郎といえば殺人事件を扱ったものが多いが、この短編集にはそれを少し匂わせるものはあるものの、基本的に出てこない。のんびりとユーモアを楽しみたい時に楽しく読める本。
8年前に息子を死なせた級友達に復讐をする母親のお話。殺されたほうにとっては月日など関係なく、そうたやすく悲しみが癒えたり、恨みが消えたりすることはないということを痛感した。
父親を殺害する計画を偶然聞いてしまった主人公の少女が、父親を助けるために頑張るお話。この主人公の兄がかなりトンデモナイ人物。要チェックです。面白かった。
母親を死なせた者達に対して娘が復讐するというお話。結末が予想できたと、話の半ばに確信していたのにそれが全然違っていた。人間の悪の心、罪、償いについて考えさせられる内容。でも、主人公が吉川にとった態度はよく分からない。いくらなんでもあそこまで親切にすることはない気がする。普通、もっと冷たくあたると思うけどなあ。
大金持ちのおばあちゃん永山志津(ながやましず)の70歳の誕生日パーティーに息子達と娘が集う。おばあちゃんは、変わった性格をしていて、どんなものもゲームにして楽しんでしまう。例えば、娘の命が狙われたりすることだって、殺人だって…。一見、ユーモア溢れる作品のようだが、実は、寂しさや悲しさ、憤りといったものを感じることの方が多かった。最後まで読むと少し暗い気分になった。特に、高校一年生の重森敦子(しげもりあつこ)に起こる出来事は辛かった。
17歳の女子高校生沖野瞳が主人公。赤川次郎の作品で、女子高校生が主人公の場合は、大体ユーモアに溢れたものが多いが、これは非常に悲しい物語だった。この本は、原田知世主演で映画化されているらしい。いつか見てみたいものだ。(この初版の表紙は、モデルの女の人―絵ではなくて写真―がアヤシイポーズをとっていて、最初、内容がかなりイヤラシイものじゃないかと心配になった。読んでみて、全然イヤラシイものではなかったので安心。私のような感想(誤解、心配)を持った人が、1985年当時多くいたのかもしれない。同年8月5日第5版、つまり、初版からわずか2ヵ月で、表紙は、別のノーマルな写真に変わっていた。興味がある人は、初版は図書館で見つかるので、初版でない表紙と見比べてみてください。)注:私のよく行く図書館には第2版がなかった。もしかしたら第2版で既に変わっているかもしれない。
表題作を含めた4つの短編が収録されている。表題作は、次々に辞めていく女性社員を会社に引き止めるために、二枚目の男性社員村上がエサとして会社で働かせられるようになったが、果たしてそこで起きたことは…というもの。よくよく考えると、これは非常に恐ろしい設定。
赤川次郎作品で一番好きになったかもしれない。300ページあったのをおよそ3時間半で、一切途中休憩もとらずに読みきった。人の命、家族愛、友情の尊さを考えさせられた。特に、姉の千津子と妹の実加のやりとりを見ていると涙が出そうだった(実際、涙ぐむ)。全体的に暗いが、たくましく成長していく実加を見ていると気持ちいい。その他、情景としての雨のシーンが、特に心に残った。外は晴れているのに、実際に雨の音が聞こえた。それも悲しい、感情を持った雨。ちなみに私は夜の11時30分から読み始めた。夜の静けさは、この本の調子によくあった。穏やかな気持ちにさせてくれる。小川のせせらぎをずっと聞いているようだった。快い。(確かNHKでテレビドラマ化されているが、見たことはなかった。再放送があったら見てみたいなあ。)
タイトルが女学生とは言っても、主人公が女子中高生とは限らない。それは見てのお楽しみ。偽(?)の女学生の話が一番感動し、面白かったのだが、果たしてこんなに気持ちのいい性格をしている人というのは本当にいるのだろうかと思ってしまった。だが、世の中は広い。いるかもしれない。
本堂克彦(18歳)は、国民的アイドル歌手、星沢夏美(17歳)の熱狂的ファン。夏美の追っかけをしているうちに、夏美の家まで探り当ててしまい、夏美の普段とは違う歌声を聞いてしまう。そして、夏美は自殺未遂をしてしまった。さらにそのマネージャーが殺されてしまう。そして、やがて、その事件に、克彦は自分の妹の千絵(16歳)を巻き込みながら深く関わっていく…というお話。
この本には、5つの短編が収録されている。人には、もう1つの顔がある…つまり、普段の顔は、もう1人の自分に「仮面」をつけたものだという意味が、この本の題名に込められているのだろう。「忘れられた姉妹」という話はかなり不気味。主人公の花江克子(はなえかつこ)(21歳の女子大3年生)とそっくりの人物が突然現れ、様々な不幸をまき散らすという話。結局、その人物が、幽霊だったのか、ドッペルゲンガーだったのか、それとも別の何かだったのか分からなかったが、とにかく不気味だった。「私だけの境界線」という話は、夫を失った妻が、夫が死んだことを受け入れることができないことから生まれる悲劇を描いたもの。5つの短編は、暗い内容の話もあれば、明るい内容の話もある。
表題作を含む計7つの短編を収録している。表題作もいいのだが、その他の話も面白い。「善意の報酬」は、冤罪を扱ったテーマで、ユーモア話というより、かなり深刻な話に思えた。「燃え尽きた罪」という話は、ユーモア話で、この本の短編の中で一番気に入った。主人公が、仕事のミスを1つ消すだけで(それも、即刻クビになるよなミスとは思えないもので)とんでもない犯罪行為をしてしまうところにはちょっと呆れた。7つの短編は、全体的に暗い内容になっている。
心臓が止まったのに「生きて」動いている米原由利江(よねはらゆりえ)は、生き続けるためには、他人の生命エネルギーを奪わなければならない。夫の米原広造(こうぞう)は、そんな妻を銃を手にして追いかけていく。そして、平凡な大学生の神原秋世(かんばらあきよ)と山内良介もこの騒動に巻き込まれる…というお話。夫婦2人に限っては、シリアスな純愛ものと考えてよい。しかし、騒動に巻き込まれる(あるいは積極的にかかわろうとする)大学生や他の大人達は、1人を除いて、とんでもなく情けない行動をとる。特に山内良助なんて…。この本は、私が読んだ赤川次郎作品の中で、かなり上位に来ています(2001年12月)。(注)題名の「分つ」は「わかつ」と読む。
綾子、夕里子、珠美の三姉妹が活躍するシリーズの第1弾。
綾子が通う大学の文化祭に、落ち目の歌手神山田タカシが招かれたことで殺人事件が起きてしまう。嬉しかったのは、三姉妹以外の1巻の登場人物がちゃんと出てきたこと。心残りなのは、最後の謎解きを聞いても、綾子が「1番最初」何故狙われたのかが分からなかったこと。2番目からのは納得できたんだけどなあ。犯人も人間。人間の真理だから全ての行動が論理的に分かるとは限らない…と考えるしかないのかな。まっ、ほのぼのとした三姉妹を見ていると心が和んだからいいか。
20歳の女子大生新井直美(あらいなおみ)をボディガードするはずの43歳の探偵辻山秀一(つじやましゅういち)が、逆に直美に助けられながら事件を解決するというお話。この本は1983年に、薬師丸ひろ子・松田優作主演で映画化されているらしい。いつか見てみたいものだ。(注)8つの短編を収録した『一日だけの殺し屋』(角川書店)という本の中に、短編版の「探偵物語」がある。勿論、この短編の方が長編より前に書かれたもの。長編版、短編版の内容は全体的には異なるが、部分的に重複する箇所もある。面白いパラレルワールドだ。興味のある人は読み比べてみてください。
表題作を含め、26の作品―ショートショート―が収録されている。赤川氏の作品は長編が多いので、珍しい本と言える。前半のI部より、サラリーマンを題材にしている後半のII部の方が面白く感じた(ただし、I部の「長い長い、かくれんぼ」はこの本の作品の中で、一番心に訴えるものがあり、ひどく印象に残った)。II部の各話の冒頭には、赤川氏のサラリーマン時代のちょっとした体験談が短く添えられていて面白い。解説は、ショートショート作品の代表者と言える星新一氏が担当している。
407Pの長編。大人(両親含む)達の汚い行動に憤りや悲しみを覚えながらも、家族を逞しく守る女子中学生の話。道徳観念の欠如した大人達が多数登場する。その中で、15歳、中学三年生の月波久子(つきなみひさこ)はよく頑張った。普段の生活態度や、家族を守る時の行動手段はちょっと過激だったけど…。だが、スカッとするものがあった。この久子も、赤川次郎作品に多い強い女性。結末見ると、懲りて二度としそうにない人、結局、ずるずると懲りずに繰り返してしまう人と色々いるんだなと考えさせられた。
平石正人(ひらいしまさと)(19歳)の恋人松永亜紀(まつながあき)(19歳)が吸血鬼に襲われる。吸血鬼に復讐するために正人と幼なじみの宮沢有子(みやざわゆうこ)が力を合わせる・・・が、意外な展開になる。単なる吸血鬼退治のお話ではない。ちょっと悲しい物語です。とはいっても、襲われる人間にとっては吸血鬼は吸血鬼なんでしょうが・・・。
「隣の芝生はきれいに見える」という言葉を考えながら続むといいかもしれない。専業主婦の楠木香子(きょうこ)が主人公。物語は、主人公の家の隣に山口祐次(ゆうじ)という初恋の人が引っ越してきたことによって始まる。
宮島努(つとむ)は、豊富な財産を抱えるが、結婚をしていないためその財産を残す相手がいない。そこで、自分の財産を見ず知らずの他人に与えて、その与えられた人がどのような行動をとるか楽しもうということになった。その与える金額はなんと1億円。宮島に代わって、秘書の田ノ倉良介が、1億円を与える相手を探す・・・。5つの短編が収録されていて、それぞれの主人公に1億円が渡される。「故郷は遠くにありて」「仰げば尊し」は、田ノ倉良介やその周りの人達の優しさに感動するが、内容が悲劇的すぎて辛かった。私も1億円が欲しい・・・。どこかに田ノ倉さんいないかなあ。
悪魔シリーズ第1段。高校生の仲良し三人組、矢吹由利子、桑田旭子(あきこ)、弘野香子(きょうこ)が探偵役として、学園で起きた事件を解決していく物語。香子さんは、大金持ちの令嬢で、美人で、合気道、なぎなた、弓術に通じ、ピアノもたしなむ絵に描いたようなすごい人物だけど、友達を危険な目に合わせすぎだぞ・・・。あれじゃあ、由利子さんがかわいそうだ。ちなみに、この本の挿絵がとてもかわいい(イラストは水玉螢之丞による)。女子高生3人組の探偵ものには、とてもよく合っていると思う。題名の意味は結局分からなかった・・・。(2002年
悪魔シリーズ第2段。仲良し3人組が修学旅行で乗った寝台車で殺人事件が起こり、その犯人の殺し屋と同級生の冬子が偶然出会ってしまう。そこから物語りは、悲しいラブロマンスに発展する。・・・今回も香子さんがすごかった。フェンシングで闘うのはいいとしても、吹き矢ってのはやりすぎでは。女子高校生が吹き矢・・・しかも痺れ薬を塗ってるって・・・そんなもの一体どこで手に入れたんだ?
悪魔シリーズ第3段。黒いペンで書かれた手紙によって、自殺未遂事件、放火未遂事件などが次々と起こる。・・・事件の内容はともかくとして、香子さん・・・ベンツで炎に突っ込むって無茶すぎるんですけど。まあいいか。私の出身高校は2階が職員室だったので、火事になってもベンツでは乗り込めないなあ。相変わらず、香子以外の人達がとても危険な目に遭いすぎている。特に、今回は由利子の妹の真由子がかわいそうだった。何事もなく無事だったのが本当に不思議。運がいいとしかいいようがない。小説でなかったら、真由子が無事であるはずなどないだろうなあ。香子さん、もっと考えて行動してよ〜。香子にばかり責任を押しつけるのは間違っているけれど、香子の行動を見ているとそう言いたくもなる・・・。
幽霊シリーズ第1弾。女子大生永井夕子と警視庁の中年警部宇野喬一(こういち)とのコンビがいかにも赤川次郎という感じで面白い。ちなみにこの作品は赤川次郎のデビュー作。デビュー作からしてこうだったのかあ。
幽霊シリーズ第2弾。永井夕子が死ぬ…。
幽霊シリーズ第3段。表題作を含めて6編の短編が収録されている。「名探偵の子守唄」の結末・・・全然予想できなかった。表題作「幽霊愛好会」では、娘を殺された父親が、犯人を突き止めるために娘の魂を呼び寄せ、娘に直接犯人の名前を聞く。非科学的なようで、実はこれが捜査に役立っている。永井夕子よ、幽霊の使い方がうまいなあ。
悪魔シリーズ第4弾。おなじみの仲良し三人組の女子高生、矢吹由利子、桑田旭子、弘野香子が、「スキー学校」に出かけて殺人事件に巻き込まれる。舞台は冬の北海道。この3人の学校は、修学旅行もこの前行ったばかりなのに、「スキー学校」にも行くという豪華さ。すごいなあ。この本で初めて知ったのだが、スキーのリフトは二人乗りのものがあるらしいということ。松山城みたいに1人乗りのものしかないものと思っていた。それはともかく、雪が激しく降っている中、暖房器具もないところで監禁されていた由利子がかわいそうだった。よく凍傷にならなかったものだ。
銀行に勤める父親が、お金を横領して女と逃げてしまった。母親は、そのショックで倒れてしまう。僕だったら、この父親を許すことができるだろうか・・・。また、主人公の村山朋子(ともこ)が、最後には愛する男の人を諦めるところは、すごいなあと思った。
夫や親の暴力、学校でのいじめなどから逃れるための人たちが集まった団地(通称:駆け込み団地)をめぐる愛憎の物語。駆け込み団地の所長牧田肇は、弱い立場の人たちを守ろうと真面目に努力していたのだが、あらゆる行動が裏目に出てかわいそうだった。ところで、牧田が相続した莫大な財産はどうなるのだろう。牧田は、自分の身にもしものことがあれば・・・というようなことを言っていたので、実は、ぬかりなく準備をしていたのかもしれない。たとえば、恋人の若菜宛に遺言を残しておくとか・・・。物語全体としては、大変暗い内容で悲しかった。特に、海老原頼子の死は痛ましかった。両親の不仲が娘の不幸につながるのは、大変辛いなぁ・・・。
本書には、「神の救いの手」、「使い走り」、「最後の願い」、「人質の歌」の4つの短編が収録されている。4つの短編の背景には、必ず幽霊の存在がある。だが、その幽霊の役割は、願い事を聞く代わりに大切な人の命をもらう、恨みを晴らすために化けて出る、恩返しのために化けて出る、遊び相手欲しさに命を奪うことをお願いする・・・など、各話によって様々だ。全体的に悲しくて暗い内容であったが、特に、「人質の歌」については、3歳の娘を亡くして気が滅入っていた父親に亡くなった娘の幽霊が訴えかけるという悲壮感溢れる内容で、読後には何とも言えない気分になった。


下記の6つの短編が収録されている。 第1話 愛しのわが子 第2話 わが子はアイス・キャンデー 第3話 蛇が来た、どこに来た 第4話 禁じられた遊び 第5話 「拝啓、通り魔さま」 第6話 「塾に行く道」

中でも一番面白かったのが、第2話だった。小学生の息子が高利貸し(こおりがし→氷菓子→アイス・キャンデー)の商売を学校で始めたことに対して母親は大変悩んでいたにもかかわらず、いつの間にか肯定するようになり、母親自らも息子にお金を借りてしまうようになる。心配していた母親よりも息子の方が(ずる賢いけれども)しっかりしていると思ってしまった。
この短編集は、ずる賢くて問題行動を起こす子供たちを批判しているのではなく、だらしのない大人たちを皮肉っているようであった。

不気味な白い雨が降ってきて、その雨に濡れた者達が本能の赴くままに行動し、殺人、暴行事件などを起こしていく・・・というお話。昨夜、読みかけのまま就寝すると、この作品の内容が夢に出てきて大変うなされてしまった。小説を読んで夢でうなされるのは久しぶりのことだった。今日、この小説は読み終えたのだが、もう夢には出てきてほしくない。起きている時は特に怖いと思う小説ではなかったのだが、夢にまで見たので自分が思っている以上にこの小説の本質は怖いのかもしれない。ところで、大学の「ワンダーフォーゲル部」のリーダー・笠原の「それでもワンゲルかよ!」というセリフが妙に面白かった。たぶん、自分の大学の友達にもワンゲル出身の人(A馬君)がいたからだろう(笑)。
電気製品の電話サポートセンターに勤める矢田部真美(やたべまさみ)は、人質をとってビルに立てこもった高校時代の同級生白木和也に呼び出される。人質立てこもり事件は、白木の死によって幕を閉じるが、矢田部真美は、白木の死の真相を追うことになる。そして、白木がかかわっていた「プレミア商事」という謎の会社について調査を進めていくと、命を狙われるようになる・・・。矢田部真美の家族(両親、弟)が働かずに真美一人の収入に頼って生活しているにもかかわらず、弟の結婚資金や母親の不倫相手への援助金などを真美に請求しているところがなんてひどい家族だ!と思った。もちろん、真美はそんな家族に対して激怒するのだが、見捨てたりはせず、何とかお金を工面したり、面倒を見たりしていてえらいなぁ、と思ったが、真美が不憫でならなかった。
表題作他、「失われた顔」「日の丸あげて」「路地裏の戦争」という3編が収録されている。「失われた顔」は、浮気されて非業の死を遂げた女性の怨念と今を生きる恋人たちとの戦い(?)が描かれている。「日の丸あげて」は、国民の祝日に「日の丸」を出していないと激怒しながら近所の人達にも「日の丸」を出すよう強引な手段で強制する父親と、そのようなやり方を嫌う娘との確執が描かれている。「路地裏の戦争」は、マンション建設のために立ち退きを強制された地区で一軒だけ取り残された家に不動産会社の男が売却の交渉に出向いたところ、銃撃戦、誘拐、戦死・・・という考えがたい状況に巻き込まれるお話。この話に出てきた少女(三田村愛)と猫がかわいそうだった。表題作の「恋するビデオテープ」は、浮気をされた妻が、家に突如送り届けられたビデオテープの中の女性(シルエットのみで誰なのか顔は分からない)と仲良く語りかけている光景を夫が目撃し、思わず妻を突き飛ばしてしまうのだが・・・。その後の落ちが大変悲しかった。1作目を除くと、全て悲劇的な結末だった。
主婦が公園で射殺されたことがきっかけで、かつての「仲間」達は、「ノラ」が帰ってきたことを知る。たった一人でかつての仲間達に復讐しようとするノラも悪だが、迎え撃つ者達も悪。悪と悪の対決の裏側で織り成す複雑な人間ドラマが面白かった。
本作品には、「悪夢、買います」、「隅の少女」、「呪いの花園」、「幻のタイトロープ」、「失われた恋人」、「幻のプロポーズ」の6編が収録されている。「失われた恋人」は、パソコンゲームに登場するバーチャルな女性と付き合う男が、気が狂って現実の世界と仮想の世界を混同し始めたという内容の作品かと思ったら、全く違う結末だったのでちょっと意外だった。結末に近づくにつれ、オチを何となく予想できたのだが、当初は全く予想できなかったので、この意外性が良かった。「幻のプロポーズ」は、ショートショートとも呼べそうなほどの数ページの短編で、この作品を除くと他の作品は悲劇的な結末になっているので、悲しい気分になる。
三毛猫ホームズシリーズ第二弾。晴美が勤めている「新都心教養センター」というカルチャースクールに 金崎沢子(かねさきさわこ)と名乗る女性が現れ、全講座の受講手続きを行う。同じ時間帯の講座もあるので全講座に申込するのは不自然で、女性も顔が分からないように大きな黒メガネをかけてマスクもつけているので見るからに怪しい。受付をしていた晴美は不審に思ったため、刑事で兄の片山義太郎に連絡を入れる。片山刑事が調べてみると、この金崎沢子は2年前に殺されていた。やがて、その妹金崎涼子(かねさきりょうこ・17歳)と会った片山刑事は、姉を殺した男たちに復讐してやると涼子に宣言されてしまう。そして、次々と新都心教養センターの講師達が殺されていく・・・。

片山刑事の妹の晴美に一目惚れした石津刑事は、この巻で初登場し、晴美に一目惚れする。猫恐怖症の石津刑事がホームズから逃げるために飛び込んだ部屋には身体検査中で裸(?)の晴美がいて、それがこの2人の初のご対面で石津刑事が一目惚れした瞬間・・・というのは面白かった。いかにも石津刑事らしい。



三毛猫ホームズシリーズ第三弾。石津刑事の住むマンションの近くの村で土地買収に反対していた老婦人は、たくさんの猫を飼っており、その家は猫屋敷と呼ばれていた。ある日、その老婦人が猫達と一緒に殺害され、その老婦人の姪刈谷立子に片山刑事は求婚されてしまう・・・。
白猫が血を浴びて赤に染まった「赤い猫」についての描写が怖かった。
三毛猫ホームズシリーズ第四弾。ヴァイオリン・コンクールの優勝候補の桜井マリを脅迫する電話を片山晴美は取ってしまう。晴美は、兄の片山義太郎刑事に警護を要請するが・・・。
晴美の兄片山義太郎刑事はコンクールに参加する7人の若い男女の警護のために別荘で寝泊りをする。この別荘には、コンクール参加者達はコンクールまで全員宿泊することが義務付けられており、この別荘で新曲の楽譜が渡される。この別荘にいる間は、外部との連絡を取ることも許可されていない。精神的に追い詰められて発狂し、自殺未遂をする者まで現れ、さらに殺人事件も発生する・・・。
今回も片山刑事は若い女性に求愛されて予想通りの展開になるのが面白かった。

2011年9月

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

アーカイブ

カテゴリー