| ネット上の擬似家族の「お父さん」が殺され、その犯人を警察が追い詰めていくお話。話の半分まで読むと、誰が犯人かが私には分かったが、これは作者が意図的に読者に分かるようにしていたのかもしれない。ネット上の擬似家族とか出てきますが、インターネットの用語を知っていなくても読めます。 |
小説の最近のブログ記事
|
450ページあった。今まで読んだ英語で書かれた本で一番ページ数が多かった。日本語でもこんなにページがあるのは滅多にないかもしれない。アシモフ好きで、原著を揃えていっているが、全部読みきったのはこれが初。今までは邦訳版を読んでいたこともあって、ちょこちょこと読んでいただけだった。だがこれからは全部読もう。さて、今回のも、邦訳版「ファウンデーションの彼方へ」(早川書房『銀河帝国興亡史』4、1996年第2刷、岡部宏之訳)で以前に読んでいたが、やはり原著で読むと面白さが格段に増した。ファウンデーションシリーズの中でも、何故この原著から読んだかと言うと、それはこの本の主人公であるGolan Trevizeが好きだから。Trevizeの直観力、行動力、人柄どれをとってもよい。実を言うと、私は、Trevizeに憧れており、Trevizeみたいになれたらいいな、と思っている。それと歴史家のJanov Peloratがとても情熱的で非常に好感を持てる。このPeloratとTrevizeとのやりとりも面白い。
《注記》「A Bantam Spectra Book / published by arrangement with Doubleday; Doubleday edition published 1982, Bantam edition / November 1991」を読んだ時の感想。 |
| 20年前の事件の告白をしようとする父親と、それをとりまく家族のお話。赤川次郎の作品は、女子高生や女子大生が活躍するものばかりと思っている人が多いが、このようなサスペンスもある。やはり赤川次郎は面白い。 |
| 8年前に息子を死なせた級友達に復讐をする母親のお話。殺されたほうにとっては月日など関係なく、そうたやすく悲しみが癒えたり、恨みが消えたりすることはないということを痛感した。 |
| 父親を殺害する計画を偶然聞いてしまった主人公の少女が、父親を助けるために頑張るお話。この主人公の兄がかなりトンデモナイ人物。要チェックです。面白かった。 |
| 母親を死なせた者達に対して娘が復讐するというお話。結末が予想できたと、話の半ばに確信していたのにそれが全然違っていた。人間の悪の心、罪、償いについて考えさせられる内容。でも、主人公が吉川にとった態度はよく分からない。いくらなんでもあそこまで親切にすることはない気がする。普通、もっと冷たくあたると思うけどなあ。 |
| 表題作他3篇が収録されている。「火星人の方法」は、水を地球からの輸入に頼っていた火星が、地球側から水の供給制限を宣告されたことにより展開される物語。その他、「まぬけの餌」は、ジュニアと呼ばれる惑星で謎の死を遂げた植民者達についてその調査を行う若者や科学者達の物語。4つの収録作品は、1952〜54年に雑誌で発表さたものだが、50年経った今でも新鮮なSF作品に感じられた。 |
| 大金持ちのおばあちゃん永山志津(ながやましず)の70歳の誕生日パーティーに息子達と娘が集う。おばあちゃんは、変わった性格をしていて、どんなものもゲームにして楽しんでしまう。例えば、娘の命が狙われたりすることだって、殺人だって…。一見、ユーモア溢れる作品のようだが、実は、寂しさや悲しさ、憤りといったものを感じることの方が多かった。最後まで読むと少し暗い気分になった。特に、高校一年生の重森敦子(しげもりあつこ)に起こる出来事は辛かった。 |
| 17歳の女子高校生沖野瞳が主人公。赤川次郎の作品で、女子高校生が主人公の場合は、大体ユーモアに溢れたものが多いが、これは非常に悲しい物語だった。この本は、原田知世主演で映画化されているらしい。いつか見てみたいものだ。(この初版の表紙は、モデルの女の人―絵ではなくて写真―がアヤシイポーズをとっていて、最初、内容がかなりイヤラシイものじゃないかと心配になった。読んでみて、全然イヤラシイものではなかったので安心。私のような感想(誤解、心配)を持った人が、1985年当時多くいたのかもしれない。同年8月5日第5版、つまり、初版からわずか2ヵ月で、表紙は、別のノーマルな写真に変わっていた。興味がある人は、初版は図書館で見つかるので、初版でない表紙と見比べてみてください。)注:私のよく行く図書館には第2版がなかった。もしかしたら第2版で既に変わっているかもしれない。 |
| 表題作を含めた4つの短編が収録されている。表題作は、次々に辞めていく女性社員を会社に引き止めるために、二枚目の男性社員村上がエサとして会社で働かせられるようになったが、果たしてそこで起きたことは…というもの。よくよく考えると、これは非常に恐ろしい設定。 |
|
赤川次郎作品で一番好きになったかもしれない。300ページあったのをおよそ3時間半で、一切途中休憩もとらずに読みきった。人の命、家族愛、友情の尊さを考えさせられた。特に、姉の千津子と妹の実加のやりとりを見ていると涙が出そうだった(実際、涙ぐむ)。全体的に暗いが、たくましく成長していく実加を見ていると気持ちいい。その他、情景としての雨のシーンが、特に心に残った。外は晴れているのに、実際に雨の音が聞こえた。それも悲しい、感情を持った雨。ちなみに私は夜の11時30分から読み始めた。夜の静けさは、この本の調子によくあった。穏やかな気持ちにさせてくれる。小川のせせらぎをずっと聞いているようだった。快い。(確かNHKでテレビドラマ化されているが、見たことはなかった。再放送があったら見てみたいなあ。) |
| タイトルが女学生とは言っても、主人公が女子中高生とは限らない。それは見てのお楽しみ。偽(?)の女学生の話が一番感動し、面白かったのだが、果たしてこんなに気持ちのいい性格をしている人というのは本当にいるのだろうかと思ってしまった。だが、世の中は広い。いるかもしれない。 |
| 「推理小説史上初のトリックが読者を迷宮へと誘う。前人未到のメタ・ミステリー」という文句が文庫本カバーの裏に書いてあったのでかなりわくわくしながら読み始めた。謎解きシーンに入ると、途中何度も前のページに戻って、至極丁寧に読み返した。最後の数ページまで、犯人が「どうなってるのか」よく分からなかった。映像化はかなり難しそう。人によっては、「こんなのありか」と思うかもしれない。私にとっては、あまり読後感はすっきりしなかったが、作者に「まんまとやられた」ので、それだけで満足している |
| 本堂克彦(18歳)は、国民的アイドル歌手、星沢夏美(17歳)の熱狂的ファン。夏美の追っかけをしているうちに、夏美の家まで探り当ててしまい、夏美の普段とは違う歌声を聞いてしまう。そして、夏美は自殺未遂をしてしまった。さらにそのマネージャーが殺されてしまう。そして、やがて、その事件に、克彦は自分の妹の千絵(16歳)を巻き込みながら深く関わっていく…というお話。 |
| この本には、5つの短編が収録されている。人には、もう1つの顔がある…つまり、普段の顔は、もう1人の自分に「仮面」をつけたものだという意味が、この本の題名に込められているのだろう。「忘れられた姉妹」という話はかなり不気味。主人公の花江克子(はなえかつこ)(21歳の女子大3年生)とそっくりの人物が突然現れ、様々な不幸をまき散らすという話。結局、その人物が、幽霊だったのか、ドッペルゲンガーだったのか、それとも別の何かだったのか分からなかったが、とにかく不気味だった。「私だけの境界線」という話は、夫を失った妻が、夫が死んだことを受け入れることができないことから生まれる悲劇を描いたもの。5つの短編は、暗い内容の話もあれば、明るい内容の話もある。 |
| 表題作を含む計7つの短編を収録している。表題作もいいのだが、その他の話も面白い。「善意の報酬」は、冤罪を扱ったテーマで、ユーモア話というより、かなり深刻な話に思えた。「燃え尽きた罪」という話は、ユーモア話で、この本の短編の中で一番気に入った。主人公が、仕事のミスを1つ消すだけで(それも、即刻クビになるよなミスとは思えないもので)とんでもない犯罪行為をしてしまうところにはちょっと呆れた。7つの短編は、全体的に暗い内容になっている。 |
| 心臓が止まったのに「生きて」動いている米原由利江(よねはらゆりえ)は、生き続けるためには、他人の生命エネルギーを奪わなければならない。夫の米原広造(こうぞう)は、そんな妻を銃を手にして追いかけていく。そして、平凡な大学生の神原秋世(かんばらあきよ)と山内良介もこの騒動に巻き込まれる…というお話。夫婦2人に限っては、シリアスな純愛ものと考えてよい。しかし、騒動に巻き込まれる(あるいは積極的にかかわろうとする)大学生や他の大人達は、1人を除いて、とんでもなく情けない行動をとる。特に山内良助なんて…。この本は、私が読んだ赤川次郎作品の中で、かなり上位に来ています(2001年12月)。(注)題名の「分つ」は「わかつ」と読む。 |
| 綾子、夕里子、珠美の三姉妹が活躍するシリーズの第1弾。 |
| 綾子が通う大学の文化祭に、落ち目の歌手神山田タカシが招かれたことで殺人事件が起きてしまう。嬉しかったのは、三姉妹以外の1巻の登場人物がちゃんと出てきたこと。心残りなのは、最後の謎解きを聞いても、綾子が「1番最初」何故狙われたのかが分からなかったこと。2番目からのは納得できたんだけどなあ。犯人も人間。人間の真理だから全ての行動が論理的に分かるとは限らない…と考えるしかないのかな。まっ、ほのぼのとした三姉妹を見ていると心が和んだからいいか。 |
| 20歳の女子大生新井直美(あらいなおみ)をボディガードするはずの43歳の探偵辻山秀一(つじやましゅういち)が、逆に直美に助けられながら事件を解決するというお話。この本は1983年に、薬師丸ひろ子・松田優作主演で映画化されているらしい。いつか見てみたいものだ。(注)8つの短編を収録した『一日だけの殺し屋』(角川書店)という本の中に、短編版の「探偵物語」がある。勿論、この短編の方が長編より前に書かれたもの。長編版、短編版の内容は全体的には異なるが、部分的に重複する箇所もある。面白いパラレルワールドだ。興味のある人は読み比べてみてください。 |
| 表題作を含め、26の作品―ショートショート―が収録されている。赤川氏の作品は長編が多いので、珍しい本と言える。前半のI部より、サラリーマンを題材にしている後半のII部の方が面白く感じた(ただし、I部の「長い長い、かくれんぼ」はこの本の作品の中で、一番心に訴えるものがあり、ひどく印象に残った)。II部の各話の冒頭には、赤川氏のサラリーマン時代のちょっとした体験談が短く添えられていて面白い。解説は、ショートショート作品の代表者と言える星新一氏が担当している。 |
| 407Pの長編。大人(両親含む)達の汚い行動に憤りや悲しみを覚えながらも、家族を逞しく守る女子中学生の話。道徳観念の欠如した大人達が多数登場する。その中で、15歳、中学三年生の月波久子(つきなみひさこ)はよく頑張った。普段の生活態度や、家族を守る時の行動手段はちょっと過激だったけど…。だが、スカッとするものがあった。この久子も、赤川次郎作品に多い強い女性。結末見ると、懲りて二度としそうにない人、結局、ずるずると懲りずに繰り返してしまう人と色々いるんだなと考えさせられた。 |
| 警視庁刑事部参事官の薬師寺涼子(27歳)が忠実なる部下(または下僕)である警部補の泉田準一郎(33歳)を従えて海上で孤立した豪華客船で悪人や魑魅魍魎と戦うお話。フィクションとはいえ、この本に登場する人物達は、かなり現実世界の人物と関わりがあるような気がしてならなかったのは気のせいだろうか・・・。今回からは、貝塚さとみ巡査(21歳)と阿部真里夫(29歳)が新しく登場した。どうもこのシリーズは長いこと続いていきそう。楽しいなあ。 |
| この本には、表題作他「朽ちてゆくまで」「燔祭(はんさい)」の計3編が収録されている。どの主人公も女性で、それぞれ超能力を有している。「燔祭(はんさい)」には、青木淳子が登場する。この話の続編として「クロスファイア」が書かれている。青木淳子ファンには必読です。 |
| 上巻の続き。最後まで読んで、青木淳子の熱狂的なファンになった。あんな目にあっても、許してあげるなんて・・・。もちろん、許すことができたのは、青木淳子の悲壮感・孤独感がそれだけ非常に強かったという裏返しである。この「許した」ことで、青木淳子の悲劇さが一層増した。・・・牧原刑事を除いて、この本に出てくる男性はろくでもない人ばかり。牧原刑事は、Xファイルのモルダー捜査官と生い立ちや性格が似ている。牧原刑事と青木淳子がもう少し早く出会っていたら良かったのに・・・。―――青木淳子はガーディアンと名乗る組織と関わることになる。一方、石津ちかこは青木淳子の行方を追う。そして・・・。 |
| 青木淳子(あおきじゅんこ)(25、6歳)が主人公。悲しい、孤独に満ちた青木淳子の物語です。―――青木淳子は超能力者で、パイロキネシス(念力放火能カ)という能力を持っている。その超能力ゆえに、青木淳子は自らを「装填された銃」と呼び、制裁すべき対象を探しながら質素な生活を送っていた。そんなある日、廃工場で「放射」を行っていると、偶然、凶悪な若者達と遭遇する。そして・・・。 |
| 単なる推理小説ではない。刑事、犯人、被害者、探偵などの財布が事件のナレーションを務める。猫や犬が周りの人間についての感想を語っていくパターンはよく見るけれど、財布が語るというのは初めて見た。私の財布は、現時点(2002年3月)で5年以上(実際は3年ぐらいかも・・・記憶が曖昧)使用しているけれど、持ち主の私に財布がどんな感想を持っているのか大体検討がつく。「物を詰め込みすぎるな」と怒られそう。山口県を去って久しいのに、未だに、山口県のお店のスタンプカードが入っていたりする。整理しなくちゃね・・・。 |
| 幽霊シリーズ第1弾。女子大生永井夕子と警視庁の中年警部宇野喬一(こういち)とのコンビがいかにも赤川次郎という感じで面白い。ちなみにこの作品は赤川次郎のデビュー作。デビュー作からしてこうだったのかあ。 |
| 幽霊シリーズ第2弾。永井夕子が死ぬ…。 |
| 表題作を含め、10の短編が収録されている。また、附録として、「断筆解禁宣言」があり、筒井康隆が断筆を開始してから解除するまでの経緯が書かれている。表題作の「エンガッツィオ司令塔」は、貧乏な学生が恋人に100万円を超える高価な指輪をプレゼントするために、製薬会社の薬の実験台のアルバイトをするお話。この主人公のすごいところは、製薬会社のかけもちをして、同時期に色々な薬の被験者になるところ。薬の作用の前に、この時点で、もう精神が破綻している…。「猫が来るものか」では、日本に限らず、世界中の作家の薬物使用についての話が出てきて面白かった。「首長ティンブクの尊厳」では、アイザック・アシモフのロボット三原則をギャグとして使っており、アシモフ好きの私としてはかなり笑ってしまった。 |
| 「囹圄」の読み方が分からなかった…。どのような意味かは、読み進めていくうちに分かったけど。分からなかったので、主人公の珠子と僕は同じレベルで会ったことがない「おじいちゃん」について色々と思うことができた(中学生の珠子と同じレベルというのは情けないことだけどね)。こんなに粋なおじいちゃんが世にたくさんいてくれたらいいのになあ、と思うほど、このおじいちゃんは魅力的な人だ。不良中学生、やくざたちに臆することなく立ち向かうおじいちゃん、孫娘を愛するおじいちゃん…素敵だ。 |
| 表題作を含めて5つの短編SFが収録されている。「細菌人間」は、「ミクロの決死圏」(1966年の映画で、後にアイザック・アシモフが小説化)のアイデアと共通するものがある。巻末の「作品解説」では、「細菌人間」の方が映画の公開よりも先に発表されているから、「ミクロの決死圏」の影響を受けてはいない、とあるけど、本当のところはどうなんだろう。どちらも1966年の発表だから、普通影響があったと思いたくなるんだけど…。まあ、それは別としても、この本に収録されている短編は全て、古典的なSF小説を少年少女に楽しんでもらうという発想では成功している。なんだか、懐かしい気がした。 |
| 海上に脱出しても蜘蛛が追いかけてくるシーンがちょっと怖かった。 |
| アイザックアシモフの新刊(洋書)が出る。Amazonで確認したところ、2006年3月7日の発売予定だった。SF物の短編が収録されているようだ。読んでみたいなぁ。 |
| 不気味な白い雨が降ってきて、その雨に濡れた者達が本能の赴くままに行動し、殺人、暴行事件などを起こしていく・・・というお話。昨夜、読みかけのまま就寝すると、この作品の内容が夢に出てきて大変うなされてしまった。小説を読んで夢でうなされるのは久しぶりのことだった。今日、この小説は読み終えたのだが、もう夢には出てきてほしくない。起きている時は特に怖いと思う小説ではなかったのだが、夢にまで見たので自分が思っている以上にこの小説の本質は怖いのかもしれない。ところで、大学の「ワンダーフォーゲル部」のリーダー・笠原の「それでもワンゲルかよ!」というセリフが妙に面白かった。たぶん、自分の大学の友達にもワンゲル出身の人(A馬君)がいたからだろう(笑)。 |
| 電気製品の電話サポートセンターに勤める矢田部真美(やたべまさみ)は、人質をとってビルに立てこもった高校時代の同級生白木和也に呼び出される。人質立てこもり事件は、白木の死によって幕を閉じるが、矢田部真美は、白木の死の真相を追うことになる。そして、白木がかかわっていた「プレミア商事」という謎の会社について調査を進めていくと、命を狙われるようになる・・・。矢田部真美の家族(両親、弟)が働かずに真美一人の収入に頼って生活しているにもかかわらず、弟の結婚資金や母親の不倫相手への援助金などを真美に請求しているところがなんてひどい家族だ!と思った。もちろん、真美はそんな家族に対して激怒するのだが、見捨てたりはせず、何とかお金を工面したり、面倒を見たりしていてえらいなぁ、と思ったが、真美が不憫でならなかった。 |
| 表題作他、「失われた顔」「日の丸あげて」「路地裏の戦争」という3編が収録されている。「失われた顔」は、浮気されて非業の死を遂げた女性の怨念と今を生きる恋人たちとの戦い(?)が描かれている。「日の丸あげて」は、国民の祝日に「日の丸」を出していないと激怒しながら近所の人達にも「日の丸」を出すよう強引な手段で強制する父親と、そのようなやり方を嫌う娘との確執が描かれている。「路地裏の戦争」は、マンション建設のために立ち退きを強制された地区で一軒だけ取り残された家に不動産会社の男が売却の交渉に出向いたところ、銃撃戦、誘拐、戦死・・・という考えがたい状況に巻き込まれるお話。この話に出てきた少女(三田村愛)と猫がかわいそうだった。表題作の「恋するビデオテープ」は、浮気をされた妻が、家に突如送り届けられたビデオテープの中の女性(シルエットのみで誰なのか顔は分からない)と仲良く語りかけている光景を夫が目撃し、思わず妻を突き飛ばしてしまうのだが・・・。その後の落ちが大変悲しかった。1作目を除くと、全て悲劇的な結末だった。 |
| 主婦が公園で射殺されたことがきっかけで、かつての「仲間」達は、「ノラ」が帰ってきたことを知る。たった一人でかつての仲間達に復讐しようとするノラも悪だが、迎え撃つ者達も悪。悪と悪の対決の裏側で織り成す複雑な人間ドラマが面白かった。 |
| 科学技術関連の商売でそれなりに成功を収めた男達が毎夜集まる銀座のバー、通称「超電導ナイトクラブ」で繰り広げられる騒動を描いたお話。バーの「常連達」が皆変態なので変な話が多く、話が行われる舞台も始終バーだったので、ビールでも飲みながら読みたい気分になってきた。たぶん、酔っ払いながら読むと常連達と同じ空間にいるような気分になって面白いのだろう、と思った・・・が、実際に酔っ払いながら読んだ時には強烈な眠気に負けてしまってすぐに寝てしまった。ちなみに、こんなバーには行きたくない(笑)。 |
| 元の自分がいた世界とは別の世界で1981年10月20日〜12月20日までの時を何度も繰り返して体験するお話。別世界の自分と自分以外の周りの世界は、少しずつ本来の自分・世界とは状況が異なっており、別の世界に移る度に本来の姿とはかけ離れていく。SF作家である主人公は、多元宇宙という考えを用いれば、分岐した様々な世界があることには納得できるものの、別世界の「自分」に乗り移る度に「自分」とは何だろうか・・・と悩むことになる。自分とは何だろうと葛藤したり、別世界の「自分」に迷惑をかけないように気をつけたり、反省したりする様が面白かった。また、本作の主人公が大学で柔道をやっていたこと、サラリーマンとして働いていたこと、コピーライターの仕事をしていたこと、SF作家として本を書いていたことについては、作者(眉村卓)の経歴と重なっているので、作者の実体験がある程度元になっているのかもしれない。また、ひょっとしたら、作者自身を主人公にしたのかもしれない。・・・ということを思うと、本作のように眉村卓が別世界を漂流したことがあるかどうかが気になるところだ・・・。 |
| 本作品には、「悪夢、買います」、「隅の少女」、「呪いの花園」、「幻のタイトロープ」、「失われた恋人」、「幻のプロポーズ」の6編が収録されている。「失われた恋人」は、パソコンゲームに登場するバーチャルな女性と付き合う男が、気が狂って現実の世界と仮想の世界を混同し始めたという内容の作品かと思ったら、全く違う結末だったのでちょっと意外だった。結末に近づくにつれ、オチを何となく予想できたのだが、当初は全く予想できなかったので、この意外性が良かった。「幻のプロポーズ」は、ショートショートとも呼べそうなほどの数ページの短編で、この作品を除くと他の作品は悲劇的な結末になっているので、悲しい気分になる。 |
|
本作は三毛猫ホームズシリーズの第一作目で、この話で片山義太郎・晴美兄弟がホームズと出会う。ホームズは元々は大学教授の飼い猫だったが、教授が殺されたことで飼い主を失ってしまう。
やがて、ホームズは、片山刑事が気に入ったのか、片山刑事になつき、そのまま片山家の飼い猫となる。 片山刑事が殺人事件の推理に行き詰った時には、名探偵ホームズよろしく三毛猫のホームズが手がかりとなる場所や物などをそれとなく片山刑事に教える。猫好きには嬉しい設定だ。 三毛猫ホームズシリーズを最初に読んだのはたぶん私が中学1年生の時だ。今から17年も前になる。私が体調を崩して学校を休んでいると中学の先生が見舞いに来てくれて「本好きのようだから」という理由で2、3冊貸してくれたのがきっかけだったような覚えがある。・・・最初に読んだのはこの「推理」ではなく後作の「騎士道」だったかも。「推理」はひょっとすると今回が初めてだったのかもしれない・・・というぐらい記憶が曖昧。懐かしくなってきたので、三毛猫ホームズシリーズは、これから少しずつ読み返したり、まだ読んでいないものを読んでいきたいと思う。 |
原題:L'Etranger / 邦題:異邦人
著者:Albert Camus(アルベート・カミュ)
著者:Albert Camus(アルベート・カミュ)
|
主人公ムルソーは、アパートの隣人レエモンが人殺しをしようとするのをやめさせるためにレエモンからピストルを取り上げた。その後、ムルソーが浜辺で一人で歩いていると、レエモンと殺し合いをしようとしていたアラビア人の一人と偶然出くわし、ムルソーはまだ持っていたピストルで相手を射殺してしまう。 この事件により、ムルソーは逮捕され裁判を受ける。その裁判の時には、事件そのものよりもムルソーの普段からの考え方、生き方などが痛烈に批判され、結果として死刑の判決を受けてしまう。 特に、ムルソーが母親を養老院に入れていたこと、母親が死んだ時の葬儀で涙を見せなかったこと、死んだ母親の顔を見ようとしなかったこと、お通夜の時にミルクコーヒーを飲んだり、煙草を吸っていたこと、母親の死の翌日に海水浴に出かけて恋人マリイと関係を結んだり、喜劇映画を観ていたことで非難される。 また、ムルソーは、裁判中、アラビア人殺害は意図していたわけではなく、「太陽のせいだ」と主張する。たしかに、本書では太陽の描写が多く、思考力が低下していく過程が分かる。しかし、主人公ムルソーのこの独特の思考回路は、他の人々には理解されず、無慈悲で冷酷な人間による意図的な犯罪だと断定されてしまう。(恋人のマリーとごく一部の人はムルソーのこの誤解を受けやすい性格を理解し、弁護していたが・・・。)
不条理。
ふじょうり(‥デウリ)【不条理】 (形動)物事のすじみちが立たないこと。道理に合わないこと。引用元:Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)小学館 1988 本書に強く感銘を受けたので、この不条理の哲学というものをもっと知りたい、と思った。 |
|
三毛猫ホームズシリーズ第二弾。晴美が勤めている「新都心教養センター」というカルチャースクールに
金崎沢子(かねさきさわこ)と名乗る女性が現れ、全講座の受講手続きを行う。同じ時間帯の講座もあるので全講座に申込するのは不自然で、女性も顔が分からないように大きな黒メガネをかけてマスクもつけているので見るからに怪しい。受付をしていた晴美は不審に思ったため、刑事で兄の片山義太郎に連絡を入れる。片山刑事が調べてみると、この金崎沢子は2年前に殺されていた。やがて、その妹金崎涼子(かねさきりょうこ・17歳)と会った片山刑事は、姉を殺した男たちに復讐してやると涼子に宣言されてしまう。そして、次々と新都心教養センターの講師達が殺されていく・・・。
片山刑事の妹の晴美に一目惚れした石津刑事は、この巻で初登場し、晴美に一目惚れする。猫恐怖症の石津刑事がホームズから逃げるために飛び込んだ部屋には身体検査中で裸(?)の晴美がいて、それがこの2人の初のご対面で石津刑事が一目惚れした瞬間・・・というのは面白かった。いかにも石津刑事らしい。 |
|
三毛猫ホームズシリーズ第三弾。石津刑事の住むマンションの近くの村で土地買収に反対していた老婦人は、たくさんの猫を飼っており、その家は猫屋敷と呼ばれていた。ある日、その老婦人が猫達と一緒に殺害され、その老婦人の姪刈谷立子に片山刑事は求婚されてしまう・・・。
白猫が血を浴びて赤に染まった「赤い猫」についての描写が怖かった。 |
- 著者:Isaac Asimov
- 原題:NIGHTFALL ONE
アシモフの短編集。収録作品は以下の通り。
|
| 主人公の野島は、年下の女性杉子に一目惚れする。野島は、親友の大宮にそのことを打ち明けたところ、大宮は野島を応援することを約束する。しかし、杉子が想いを寄せていたのは大宮であり、そのことに感づいた大宮は杉子に冷たく接したり、野島の素晴らしさを説明しようと努める。野島も大宮も友情を優先するか、自分のための恋愛を優先するかで葛藤する。・・・野島の嫉妬深い性格が大宮と杉子の結婚にどのような怖い態度を見せるのかが心配になったが、結末としては、野島は潔くて男らしかったし、野島と大宮の友情を大切にした姿勢に感動した。 |
|
三毛猫ホームズシリーズ第四弾。ヴァイオリン・コンクールの優勝候補の桜井マリを脅迫する電話を片山晴美は取ってしまう。晴美は、兄の片山義太郎刑事に警護を要請するが・・・。 晴美の兄片山義太郎刑事はコンクールに参加する7人の若い男女の警護のために別荘で寝泊りをする。この別荘には、コンクール参加者達はコンクールまで全員宿泊することが義務付けられており、この別荘で新曲の楽譜が渡される。この別荘にいる間は、外部との連絡を取ることも許可されていない。精神的に追い詰められて発狂し、自殺未遂をする者まで現れ、さらに殺人事件も発生する・・・。 今回も片山刑事は若い女性に求愛されて予想通りの展開になるのが面白かった。 |
|
身勝手な無能な王様が自分の名字「佐藤」さんが全国にたくさんいることに腹を立て、たったそれだけの理由で佐藤さん狩りを始める。狩りの方法は鬼ごっこ。鬼は王国の兵士で、鬼ごっこの時間は23時から1時間、1週間だけ開催される。鬼につかまったら殺されてしまう・・・という恐怖感に襲われながら全国の佐藤さんは必死で逃げる・・・。 さて、この本の存在は書店にたくさん置いてあったり、漫画化もされていたので知っていた。しかし、鬼ごっこで全国の佐藤さんをつかまえていくという着想はそんなに面白いものとは思わなかったので今まで読むことはなかったのだが、どういうわけか気分転換に読んでみようと思ってしまったので読んでしまった。読んで後悔。ストーリー展開に意外性は感じられず、予想通りの結末となってしまうところや、「この日本語表現っておかしいよなあ?」と思うところが何箇所もあり、文章力に不満。文章力に不満点が出てくると興ざめしてしまい、小説の内容よりもそのことばかりが気になって話に集中できなかった。でもまあ、この作家は私よりも4歳も若いので、これからもっと文章力がついてくるのではないかと期待してみようかなあ・・・。 |