| 月刊漫画『ガロ』に掲載されていた作品集。この作品集の1966年と1969年の作品を見比べると画風が随分変わっているので面白い。たぶんこの作品の全部が意味不明なストーリー展開となっているが、共通しているのはハッピーエンドな結末はないこと。ちなみにこの本に掲載されている『白い液体』は水木しげるっぽい画風だなあ、と思っていたら、(巻末の対談集によると)池上遼一が水木しげるのアシスタント時代に描いたものらしかった。短編集は、正直に言うとあまり面白くないが、巻末に掲載されていた1970年当時の池上遼一と評論家梶井純との対談集などは面白かった。 |
池上遼一の最近のブログ記事
| 自選集1とは異なり短編だけでなく、長編も収録されている。長編は表題作の「おえんの恋」で140ページほどある。おえんの恋は、明暦の大火(明暦三年一月一八日)により、夫夢助を亡くしたおえんの物語。しかし、実は夢助は火事で死んだのではなく、おえんを火事から救った侍幻之助が刀で殺したのだった。やがておえんと幻之助は親しくなるが、非常な幻之助は、おえんと夢助の子供サクラを殺して真心を示せという。追いつめられていくおえんは、我が子サクラを殺そうとして苦悩する。 |