漫画『ワンダーランド』第5巻を読んだ感想

著者・石川優吾(いしかわ ゆうご/Ishikawa Yugo)の漫画『ワンダーランド』第5巻を読んだ。

第5巻の序盤で早速、ゆっことアリスが滝さんによって助けられたのはよかった。

自衛隊のヘリコプターが2機墜落したことについて「ヘリは落ちておらん」と幕僚長が虚偽の回答したことについて、どう誤魔化すのかと思っていたら、すごい理由が付けられた。

「我が国のインフラはどの都市も耐用年数をはるかに過ぎてしまっているからねえ。福岡での道路陥没同様の事故がどこで起きてもおかしくはないと。」

この強引な主張をする幕僚長、米軍に対してもオスプレイをわざと墜落させるようなことをほのめかす強気の発言をしていて、顔つきも物凄く怖い。
本当にこんな人が現実にいたら、怖い。

滝さんの説明によると、ワンダーとは米軍や自衛隊では「Existence of the wonder(脅威の存在)」と呼ばれていることが分かった。
また、滝さんは「"ワンダー"は力を一気に使い切ると眠りに落ち、まるで命を削るかのように、加齢と共に回復を図るんだ すなわち・・・ 猛烈なスピードで年をとる」ということを語る。
滝さんの息子が、実はワンダーであることも明かされるので、今後、力の使い方によっては滝さんの息子は滝さんよりも見た目上は年を取ってしまうかもしれない、ということに私は気づき、滝さんのことが可哀想にになった。

クリスとベッキーという男女の双子、滝さんの幼い息子・ショウの3人がワンダーであることから、アリスを入れて合計4人のワンダーがゆっこの周りにいることになる。
クリスとベッキーは、ワンダーが4人もいれば軍隊とも戦える、米軍に勝てる、ということを主張する。
滝さんは「一体何分間戦える!?」と彼らに問い、軍隊には勝てるわけがない、と彼らを諌めようとするが、彼らが回答することはなかった。
彼らは二人とも眠りに落ちていた。
力を使い切ったことで眠りに入ったようであった。

これを考えると、眠りに落ちるといっても、力を使い切ってからすぐに眠りに落ちるのではなく、しばらく時間がたった後で眠りに落ちるようである。

最新の現実的な捜査システムの描写もあって面白い。
ショウの顔がショッピングセンターの防犯カメラ映像で顔認証システムにヒットしたことにより、どの近辺に潜伏しているかがバレてしまう。
既に、このシステムは現実世界でも実用段階に入っており、犯人逮捕に結びついた事例もあったように思うけれど、この漫画ほどの精度はまだないのではないかと思う。
現実が早く漫画に追いついてほしい。

終盤ではアリスがようやく目覚め、ゆっことアリスはお互いに見つめ合いながら涙を浮かべている。
二人とも、お互いのことを大切に思っている。
二人とも最終巻まで無事でいてほしい。

第5巻も気になる終わり方であったので、第6巻を早く読みたいと思った。


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