漫画『終電ちゃん』第1巻、第2巻を読んだ感想


終電ちゃん(1) (モーニングコミックス)



終電ちゃん(2) (モーニング KC)

『終電ちゃん』(著者:藤本正二)は、東京の路線・中央線の高尾行きの最終電車を擬人化したキャラ・終電ちゃんが主人公の漫画。
話が進んでいくと、東京以外の路線の終電ちゃんも登場するようになったので、私の地元(愛媛県松山市)の終電ちゃんがいつの日か登場しないかな、と期待して待っていようと思った。

第1巻の感想
乗客の一人・京子が「もう終電ちゃんしか友達いないのォ」と言って泣きながら終電ちゃんに抱きついているのが、とても悲しかった。
終電ちゃんが可愛らしい女の子キャラに擬人化されていなかったら・・・つまり、中央線の電車の車両に泣きながら抱きついていたら、シュールだなぁ、と思った。

終電ちゃんのセリフが印象深いものばかり。
「わたしゃ ただの終電さ」
私からすると、終電のおかげでいつも助かっているので、「ただの終電」ということはないかな。

「終電は吉祥寺でダイヤより遅れてくる井の頭線を待つことが多いんだ 金曜の晩は特にね・・・」
そうだったんだ。中央線の終電に乗ることは、たぶん、私は今後もないと思うけれど、もしも乗ってしまった時のために、この貴重な情報は頭の片隅に置いておこう。

「最終電車なんだから もっと嫌がって欲しいもんだよ 疫病神でも 来たみたいにさ!」
いやー、そんなことは思わないけどなぁ。考えすぎだよ。終電は、有難い存在です。

その他、鉄道用語の勉強になることが書かれていて良かった。

「山手線待ち」という言葉がある 都内沿線各線の終電が乗降者の多い山手線と接続するため延々と待たされる現象である

この解説文の後で登場した山手線の終電キャラ(女の子)が「ああ・・・常磐線(じょうばんせん)?いま忙しいんだけど うるっさいわねえ あんたと違って乗降客が多いの!田舎者は黙って待ってなさい!」と激怒していた。
私は現在の長期東京出張では、よく常磐線の終電を利用しているので、山手線の終電ちゃんがこんなことを思っているのか、ということを知ることができたのは、面白かった。

私の終電は、新橋駅から山手線または京浜東北線で上野駅に向かい、上野駅から常磐線各駅停車松戸行に乗り換えるパターン。
山手線の終電ちゃんには、よくお世話になっている、ということになるなぁ。

第1巻で一番感動した話は「#6 終電ちゃんとお人好よし」だった。
山下さんの優しさが、終電に乗る原因になっているのは確かであろうと思う。
山下さんの行動を見ていると、ジーンとしてしまった。

第2巻の感想
大阪環状線の終電ちゃんが、鶴橋駅で登場。
つい先日、鶴橋駅を利用したばかりだったので、親近感が持てた。

大阪環状線の終電ちゃんの必殺「遮断機ケツバット」は、痛そう。
大阪で終電に乗る機会は、ほぼないはずだから、この技をくらう日が来ることはないだろうけれど。

「シンデレラエクスプレス」という用語があることを初めて知った。
東海道新幹線の終電ちゃんによると、「シンデレラエクスプレス」の意味は、「日曜日に走る新幹線の終電のことですわ 日曜の晩 ギリギリまで大切な人と過ごして 新幹線の終電で 遠方に帰るお方のこと をシンデレラになぞらえた 言葉だそうですの」とのこと。

その他、山手線の終電ちゃんの可愛らしい私生活(?)のようなものを見ることができて良かった。
雑誌記者の男性が、屋台でラーメンを食べている終電ちゃんを見つけた時のセリフがよい。
「まさか 山手線の終電ちゃんが 就業後にパジャマで ラーメン食べてるとはね」
このセリフを聞いた時の終電ちゃんがラーメンを食べながらビクッとしてひどく驚いている様子が大変可愛らしい。

「どデカいうずまきナルトをのせるのが山手線ラーメン」
というラーメンの解説が漫画内にあるのも良い。
ぐるぐると回っている山手線の路線をうずまきナルトに例えるのは、面白い。

第2巻の最後で、「記事見た?ビール列車って中央線(ウチ)もやらないかな~」という中央線の運転士さんの提案には、同感だと思ったけれど、中央線の終電ちゃんの意見は違った。
「これ以上 酔っぱらい増やしてどうするんだい!」とのこと。
たしかに。
この終電ちゃんの返しはとても面白かった。

ビール列車については、この漫画に記載されている情報によると、九州の松浦鉄道で例年7月から9月までの期間で運行されていて、佐世保駅と佐々駅を往復する「佐世保コース」と、伊万里駅と松浦駅を往復する「伊万里コース」というものがあるらしい。

佐世保駅と伊万里駅は、どちらも大学時代の友人達と縁がある駅なので、今度、誘ってみようかな。

第1巻、第2巻どちらも心温まる内容であった。
特に、終電をよく利用している人にとっては、この漫画には感動するところがあると思う。
終電ちゃんが萌えキャラだからいい、というわけではなく、終電ちゃんの言動が好きだし、終電ちゃんと関わる人達の一生懸命さや優しい考え方が良い。
いくつかのシーンでは、あまりにもジーンときて、涙を流しそうになるほどであった。

第3巻の発売が非常に待ち遠しい。



《関連リンク》
成田空港第2ビル駅の京成電鉄の終電ちゃん #京成終電ちゃん パネル

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