漫画『亜人』第9巻を読んだ感想


亜人(9) (アフタヌーンコミックス)

永井圭(ながい けい)と佐藤との対決の結果は、予想通りというか、佐藤が強すぎる。

この巻で、亜人の新たな特殊能力が明らかになる。
破壊困難な壁を破壊する方法。
亜人の肉体再生能力を使って、空間を消滅させるような真似ができるとは想定していなかったので、この能力は驚きであった。

佐藤はかねてから、そういったことを長い時間をかけて研究していたのかもしれないけれど、永井が戦闘の合間のごく短い時間で、佐藤が実践した特殊能力の正体を見破ったのは、凄いと思った。
永井は元々学校の成績が良かったけれど、学校の勉強ができるだけでなく、推察力があるんだなぁ、と思う。

ところで、佐藤が永井を断頭するために使用しようとした電動の園芸用品は、草刈り機だろうか。
草を刈る道具で、人の首を刎ねることができるようには思えなかったけれど、佐藤の腕力と技術力をもってすれば、可能なのかもしれない。
あるいは、私が知らないだけで、草刈り機は実はかなり強力な切れ味があるのかもしれない。
考えると怖くなってきた。

フォージ安全のビルの上層部に、草刈り機が必要なほどの規模感の庭園があることにも驚いた。

亜人は人ではない、死なない、という前提で戦いが繰り広げられるので、亜人同士の戦いが、何をもってすれば終了となるのかが、よく分からなくなってきた。

佐藤はこれから何万人もの人を殺すことになるかもしれないが、永井がもう佐藤と戦うことをやめた、という決断を下したのは、賢明かもしれない。
現時点の永井の実力では、佐藤に勝てる見込みがなく、良い作戦も思いつかない。
無駄な特攻をするよりは、佐藤から逃げる、というのは理にかなっている。

これから永井がどう暮らしていくのかは、10巻以降を読まないと分からないけれど、大量殺戮を行った佐藤一味と誤解された永井はもう人のいる世界には簡単に帰れないし、人里離れた山や外国に逃れたとしても、生活するのが大変であろう。

9巻は、10巻を早く読みたい、と思えるような良い終わり方だった。


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