光瀬龍・萩尾望都 『百億の昼と千億の夜』


時間、空間共に壮大なスケールで描かれた物語。私達がどうして存在するのか、現世ではなぜ苦しまねばならないのか、神とは・・・というように宗教と自らの存在理由を織り交ぜながら話が展開していく。話の最後の方は、「閉鎖された虚数空間」、「ディラックの海」などよく分からない用語と論理(SFの世界ではよく見かけるが、いつも意味が分からない)が出てきたが、そこがまた面白い。・・・自分が存在する理由など永遠に謎だとは思うけど、やっぱり、なぜ存在してるんだろうという疑問は尽きない。・・・あとがきによると、最初のコミックスが秋田書店から出たのが1977年ということ。1977年は私が誕生した年。この本には何か運命的なものを感じる・・・。

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村上春樹 『神の子どもたちはみな踊る』

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板谷雄二 『見てわかるC言語入門 CD-ROM付』